ウェス・リーヴィンズ率いるシカゴの5人組、ブリジット・コールズ・ミー・ベイビー。過ぎ去った時代のスリルを提供するシカゴのロマン派がデビュー・アルバム『ザ・フューチャー・イズ・アワ・ウェイ・アウト』をリリース。 (C)RS
JMD(2024/06/20)
ウェス・リーヴィンズ率いるシカゴの5人組、ブリジット・コールズ・ミー・ベイビー。過ぎ去った時代のスリルを提供するシカゴのロマン派がデビュー・アルバム『ザ・フューチャー・イズ・アワ・ウェイ・アウト』をリリース。
シカゴを拠点に活動する5人組、Brigitte Calls Me Baby は、ATO Recordsより、デビュー・アルバム『The Future Is Our Way Out』をリリースする。アルバムの一部はナッシュビルのRCA Studio Aで、9度グラミー賞を受賞したプロデューサー、Dave Cobb(Jason Isbell、Sturgill Simpson、Chris Stapleton)と共にレコーディングされ、リード・シンガーのWes Leavinsと彼のバンド・メンバーであるギタリストのJack FluegelとTrevor Lynch、ベーシストのDevin Wessels、ドラマーのJeremy Benshishがセルフ・プロデュースした曲も収録されている。欲望、不安、そして無常の複雑さについての詩的な瞑想をもって、バンドは、NPR、FLOOD、WXPN、NMEといったメディアから「シカゴのロマン派は、過ぎ去った時代のスリルを提供する」と絶賛されたデビューEP『This House Is Made Of Corners』を、強力に進化させた。デビュー・アルバムのタイトルを決めるにあたり、Brigitte Calls Me Babyが選んだのは、Leavinsが10代の頃に衝動的に白いTシャツに書き込んだフレーズだった。そして、何年にもわたって再検討を続け、最終的にはみずみずしくシネマティックなポップ・ソングへと、それを変貌させた。「不快であっても真摯でありたいし、死に対する強い恐怖のようなものについて堂々と書きたい。『The Future is Our Way Out』は、その恐怖について歌っているが、同時に、死の先に何かがあるかもしれない、人生のあらゆる混乱や悲しみから抜け出す道があるかもしれない、という希望についても歌っている」とLeavinsは言う。Brigitte Calls Me Babyは、『The Future is Our Way Out』において、「Fine Dining」のジリジリとしたポスト・パンクから、アルバムの最後を飾る「Always Be Fine」の荒涼としたスリーピーなセレナーデまで、彼らのジャンルの極限を探求する。「Too Easy」は、スキッターなギター・トーンとダークにドキドキするビートを基調としたニュー・ウェイヴの荘厳な雰囲気に包まれ、Leavinsの声は、記憶の信頼性と愛の耐久性に疑問を投げかけながら、ほとんどオペラのような壮大さを帯びている。デビューLP『The Future Is Our Way Out』で、Brigitte Calls Me Babyは、ミッドセンチュリー・ポップの贅沢なロマンティシズムと、アーリーミレニアム・インディー・ロックの熱狂的なエネルギーとトゲのある激しさを融合させながら、ジャンルや時代を巧みに横断した作品群を発表する。Leavinsの催眠術のように口ずさむヴォーカルを中心に、アルバムは、洗練されたスタイルと臆面もない誠実さが融合した稀有な作品に仕上がっている。
発売・販売元 提供資料(2024/06/19)
どこからどう聴いても多くの人がスミスを思い出すことだろう。朗々としたロマンティックな歌い口が印象的な、ウェス・リーヴィンズ率いるシカゴの5人組によるデビュー・アルバム。当世風のインディー感よりは往時のポスト・パンク的な焦燥を帯びた演奏も明快だ。あからさまにチャーミングな"Pink Palace"などがある一方、それ以上のブライトな側面を見せる曲も光る。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.489(2024年8月25日発行号)掲載)
ぜひ聴いてみてください