スケールの大きい、考え抜かれた珠玉の"大地の歌"。セッション録音ながらも力の入った、まさに渾身の演奏!その表現力の凄さと、迫り来る演奏を最新の世界初SACD化で再現!デジタル録音のSACD化企画第4弾!新規解説、歌詞対訳付
テンシュテットが病に倒れる直前である1982年と84年に収録された珠玉の"大地の歌"!バルツァとケーニヒといった、当代随一のオペラ歌手を起用したこの演奏は、1曲目の遅いテンポ設定からテンシュテット節全開であり、各曲の重厚な表現もまた、一層心に響きます。なかでもテンシュッテットによる力のこもったコントロールは見事であり、今回のSACD化により、あらためて名演度の高い演奏であることが良くわかる出来です。今回の発売のために、本国のデジタルマスターから新規でSACD化を行いました。SACD層、CD層別々にマスタリング。新規解説、歌詞対訳付。
テンシュテットは1977年の第1番からロンドン・フィルと旧EMIレーベルのマーラーの交響曲全集の録音を行い、1986年の第8番を持って番号付きの交響曲の録音を完了していました。この大地の歌はそれらのセッション収録中の1982年と84年に録音が行われており、時期としては第4番(1982年5月)の後と、第6番(1983年4,5月録音)を挟み、最後に残った第8番(1986年4,,10月録音)の前に完成していたことになります。しかしながらこの大地の歌は当初交響曲全集のセットには含まれず、最初の収録から約10年後の1992年になって初めてリリースされました。一説によると録り直したい箇所があったということも伝わっていますが、経緯が何かしらあったにせよ、テンシュテットのマーラーが世界的に話題になったピーク後に突如発売されたこのアルバムに対してのリスナーの反応は、それまで発売されていた各交響曲と少し異なっていたことは否めません。テンシュテットは1983年にロンドン・フィルの首席指揮者に就任し、1984年には来日公演を行うなど精力的に活動を行っていましたが、咽頭癌を発病したのが1985年でした。以降、治療とリハビリに専念し指揮自体の頻度が減っていったことはご存じの通りですが、そのことが多少なりとも遠因となっていたかも知れません。いずれにせよ、残されていた音源は病に倒れる前の収録であり、そこには拘り抜いたテンシュテットの解釈が至るところに詰まっています。あくまで楽譜を基に突き詰めた演奏はセッション収録ながらも凄みが伝わってくるほどであり、今回の最新のSACD化によって、あらためて名演度の高さに驚くのではないでしょうか。表現力の素晴らしさと、バルツァとケーニヒの力量を最大限引き出すテンシュテットの手腕の高さを感じさせる演奏です。
このシリーズでは、デジタル初期の本来のマスターの音質に大きく左右されますがSACD層では伸びのある高域と柔らかなニュアンスと共に解像度の改善を、CD層はまとまったしっかりとした音と共に押し出される実在感ある音色を目指しています。CD自体のポテンシャルも高く、むしろ両方の良さを堪能できるSACDハイブリッド盤としてもお楽しみください。尚、解説書には増田 良介氏による新規文章を掲載しました。今回のDefinition Series DIGITAL era第4弾は、計3タイトルを発売いたします。
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タワーレコード(2024/10/11)
<音源復刻コンセプト>
今回のデジタル初期音源復刻では、個々の音質差以上に音場間の向上や音離れが良くなり、解像度も高まりました。また、程度の差こそあれステージが従来より近く感じられ緊密感も増しています。SACD層に限らずCD層でも最新マスタリングを反映させていますので、その効果を確認できると思います。音質差は元の録音状態によることや、最も成功したアナログ録音の最新復刻時のような劇的な変化とまでは言えないものの、従来の復刻に勝るとも劣らない音質を獲得できることを確信し、本格的に企画を進行して行くことにした次第です。レコード史的にもひとつの最盛期にあたる1980年代初期から約20年間分のデジタル録音期にスポットを当てたSACD化新規企画として、新シリーズ名は「Definition Series DIGITAL era」としました。尚、従来通り過去に発売された音源と極力比較する検証も行なった上で、音楽を最大限に生かすべく、オリジナルのアナログ・マスターテープを尊重した上での最適なマスタリングを心がけています。
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タワーレコード(2024/10/11)