ドナウ＜完全生産限定盤＞

ドイツの作曲家フロリアン・クリストルによる10カ国を結ぶ雄大なドナウ川を音楽で旅するコンセプトアルバム。

ドイツで大きな話題を呼んでいる「クラシカル・クロスオーバー」の作曲家・ピアニストのフロリアン・クリストルフの新しいアルバム「ドナウ」は、10カ国を結ぶ川の源から河口まで、音楽を通じた旅へとリスナーを誘います。自然の美しさやドナウ川沿いの大都市や地域に根ざした多様な音楽伝統にインスパイアされた、12の新しい情緒的な楽曲が収録されています。フロリアン・クリストルは、さまざまなゲスト・アーティストと共にウィーン、ブダペスト、ドナウ・デルタなどの地を巡り、地元の音楽的要素を作曲に取り入れています。伝統的なバイエルン地方民謡アンサンブル「ジーガー・ザイテンムジーク」、アコーディオン奏者ヴラディスラフ・コジョカル、ヴァイオリニストのクリスティーナ・シュクラー、チェリストのラファエラ・グロメスとアリク・リシューク、そしてウクライナのオデーサ・オペラ劇場の元メンバーらが、弦楽アンサンブルやソリストとして参加しています。

子供の頃、フロリアン・クリストルは、故郷バイエルン州アンベルクの小川の水がダムを越えて流れ、やがて遠くの海に到達することに驚嘆していました。この小さな川は、ヨーロッパの二番目に長い川であるドナウ川となり、はるか東のウクライナの港町オデーサ近くにたどり着き黒海へと注ぎます。ドナウ川は、全長2,857キロメートルにわたり、ドイツの黒い森の源流から海へと流れ、ヨーロッパの半分を通過し、ウィーン、ブラチスラバ、ブダペスト、ブカレスト大都市圏などの文化的中心地をつなぎます。この川は主要な交通ルートとしての役割を果たし、ヨーロッパの共通文化遺産、特にクラシック音楽の発展と交流を促進してきました。

ウクライナで戦争が始まった時、フロリアン・クリストルは、故郷の小さな川がウクライナまで繋がっているという子供時代の驚きを思い出しました。そしてスメタナの「モルダウ」や、自然をテーマに音楽を作るロマン派の「標題音楽」にインスパイアされ、彼は「ドナウ」川をテーマにしたコンセプトアルバムを作曲するというアイデアを思いつきました。このビジョンのもと、ドナウ川について、またその川が繋ぐ都市、地域、そして多様な自然景観について徹底的に調査を始めました。川沿いの旅は彼をドナウ・デルタまで導き、そこで彼は、平和なルーマニアの岸と、戦時下のウクライナの岸との境界を目の当たりにしました。このアルバムの制作は2年以上にわたり、2023年夏に心臓発作を経験したことで中断されましたが、この出来事はフロリアン・クリストルに人生や本当に大切なものについて考えさせました。
ソニー・ミュージック