壮大なスケールの作品からソロ・ピアノまで、映画音楽の巨匠の"カメレオン的"才能が明らかになったパリ・コンサートを収録 CD2枚組
《ルートヴィヒ・ヴィッキー~ハワード・ショア:Anthology-The Paris Concerts》
ハリウッドを中心とした映画音楽の作曲家として名高いハワード・ショア。2023年春、パリの「メゾン・ド・ラジオ・フランス」で、3日間にわたりそのハワード・ショアのコンサートが開催されました。目的はこの作曲家の様々な顔を持つ作品群のミステリアスな側面を明確にするというものでした。その録音が"アンソロジー"としてまとめられ、CD2枚組で発売されます。フランス放送フィルハーモニー管弦楽団による2つのコンサート(Ludwig Wicki指揮とバスティアン・スティル指揮)が実験的な作品からなる小編成のための3つ目のコンサートを挟んだ形になっています。216人の演奏者のための作品が、例えばソロ・ピアノのための『カターニア』などと並び、ショアが様々なジャンルや規模の間を自由に行き来するカメレオン的な才能を持つことが明らかになりました。このコンサートがもたらした最大の感動は、同じプログラムに並べられた異なるスタイルや時代のスコアを再発見し、それらが同じ音楽家のチームによって演奏されることで首尾一貫した脈絡を得ることができたことです。才能豊かなソリストたち(オリヴィエ・ドワーズ、ジャン=ポール・ガスパリアン、ラファエル・モロー、ステファン・ギヨーム)も次々と見事な演奏を披露しています。テルミンのソリスト、リディア・カヴィナは『エド・ウッド』のサウンドトラックに参加して以来30年間ステージでこの楽曲を演奏し続けています。
ハワード・ショアに大きな変化が訪れたのは、21世紀の幕開け、ニュージーランド出身のピーター・ジャクソンから『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の音楽を依頼された時でした。そしてその10年後には『ホビット』の音楽も任されます。これらの大ヒット映画によってショアの素晴らしい作曲、特に壮大なスケールの物語にぴったり合った音楽が世界中の観客に知られることになりました。「正直、トールキンの作品と彼の自然への愛に、自分がうまく共鳴できたと思っています。私も自然を愛しているので、心を込めてその音楽を作曲しました」とショアは語っています。
「私の考えでは、自分の個性に合った題材を選ぶことができれば、映画音楽は作曲家が自由に作曲できる数少ない領域の一つです。監督との信頼関係を築くことができるようになると、個性的な方法で自分を表現し、人とは違うやり方をしたり、冒険したりしても監督は支持してくれます。そこにあるのは協力、先を見通す力、そして説得する力です」。これは現代の最も革新的な映画音楽作曲家の一人であるハワード・ショアが40年以上にわたり持ち続けた信念です。
発売・販売元 提供資料(2024/10/18)