若杉弘訳の日本語版のプーランク「声」、精妙な響きをとらえたスタジオ録音。私家版として制作された幻のアルバムが初発売。タワー限定販売!数量限定盤。
正に"Dream come true"のこのCDは、私にとって一生、やさしくそばに寄りそっていてくれるであろう本物の「忘れられない人」になっていく……。と信じている。
―秋山和慶
たかい音楽性とすばらしいディクションで、ぼくの書いた《ことば》がおどっている。
―若杉 弘
秋山和慶・堀江眞知子の自主制作盤として1993年に作られて以来、一般流通することなく一部の関係者のみが保有していた幻のアルバムです。収録されているのはプーランクの「声」、しかも若杉弘による日本語訳版。今では稀少なスタジオ・セッションで、録音は往年の名エンジニア林正夫らコロムビアのスタッフが請け負い、オーケストラは東響という豪華なもの。CD化を前提とした若杉訳版の初録音でもあります。秋山和慶氏が保管されていたものをご厚意による提供を受け、限定数販売いたします。尚、同じ若杉弘による日本語訳版としては、1971年11月に伊藤京子のソプラノ、若杉弘指揮の東京フィルハーモニー交響楽団によって収録されたステレオ録音が後に2001年にビクターから発売されたことがありますが(VICC60257/9)、今回の盤はセッションでのCD化を前提とした意味で、若杉訳版の初録音と明記しました。タワーレコード限定販売品として今回初めて一般市販で発売いたします。
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発売・販売元 提供資料(2025/04/09)
若杉弘による日本語訳は日本語の語感、リズムや音程が自然になるように繊細に書かれ、歌われることばがはっきりと聴こえてきます。そこへやさしく覆いかぶさる、協奏曲の指揮も得意とした秋山和慶の名伴奏。絶妙にバランスを整えドラマを動かし、音楽にしなをつくります。やわらかく寄り添うオーケストラから立ちのぼる香気と退廃的な美しさ。コクトーとプーランクが描いた一人語りの幻想的な世界に引き込まれます。堀江眞知子の品のある歌もみごと。團伊玖磨の《ジャン・コクトーに依る八つの詩》(堀口大學訳)やメノッティ作の《電話》も歌った経験を持つ彼女ならではの的を射た表現力が光ります。
解説書の充実ぶりにも注目です。まず原詩と若杉弘による日本語訳を対訳のかたちで掲載。「声」パリ初演から日本での受容をまとめ、楽曲分析を軸に物語をふかく考察した船山信子による解説があり、さらに、若杉弘のつづる作品との関わりや日本語訳執筆のいきさつ、秋山和慶による「忘れられぬ曲……」と題された、心にのこる文章を所収しています。
※限定数量盤
※解説書合計24ページ(船山信子氏による解説、若杉弘氏による解説「日本における演奏と訳詞について」、秋山和慶氏による解説「忘れられぬ曲・・・・・・」、原詞と訳詞(若杉弘氏)付)
※1993年に自主制作盤として製作されたCDの市販初発売(製作当時のCD)
堀江眞知子 プロフィール:
東京生まれ、宮城教育大学音楽科を卒業後二期会の研究生となる。在籍中にドニゼッティ作曲、オペラ"ビバ・ラ・マンマ"でオペラデビュー。以来、オペラ、ミュージカル等の舞台で活躍するかたわら、札幌交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団のコンサート等にも出演している。
1986年のリサイタルで、作曲家、團伊玖磨氏の指導のもと、團伊玖磨〈歌曲〉作品の夕べを開く。この折に「ジャン・コクトーに依る八つの詩」(堀口大學 訳詞)を歌いコクトーの世界に魅了されていくこととなる。
1990年のリサイタルでモノ・オペラ「声」をとりあげる。この時はジャン・カルロ・メノッティ台本、作曲のオペラ「電話」と併演という意欲的なプログラムであった。演出は平尾力哉氏、ピアノは小林万里子さん。
以後、毎年バリトンの村田健司氏が主催する研究会で研鑽を積んでいる。(1993年制作のGES10269の解説書より)
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発売・販売元 提供資料(2025/04/09)