<リヒテル生誕111年記念企画>
ダヴィド・オイストラフと共演する機会も多かったリヒテルが、1985年にフライブルクで行われた、その愛弟子カガンと"オイストラフ追悼コンサート"として実施したライヴと、翌日に行われたバシュメトとのリサイタルを最新でマスタリング!伊熊よし子氏の新規序文解説付。当時リヒテルを多く手掛けたディレクター、野島友雄氏監修による原音を追求したマスタリングを実施
「《リヒテル・ファミリー》の中核的な存在、カガン、バシュメトと奏でるリヒテルの室内楽は、彼らの強い絆を感じさせ、作品の内奥へとひたすら切り込んでいく姿勢が深遠で精神性の高い音楽を描き出す」~伊熊よし子氏による新規序文解説より
当時のディレクター野島友雄氏監修のもと、ビクターFLAIRマスタリングワークスにおいて、電源・ケーブル類から見直した最新のマスタリングを実施。リヒテルの表現力がより明瞭に、緻密なテクニックがより明確にわかる、精細な音作りを目指しました。リヒテルの目の覚めるような演奏は、私たちを言いしれない興奮に駆り立てます。今回のリヒテルのSACD化復刻は、日本ビクターが原盤もしくは販売権を持つ音源を取り上げます。収録場所、録音順にほぼ準拠した構成とし、各アルバムを集成しました。
リヒテルは各レーベルにライヴを含め多くの録音を残していますが、発売に関してはかなり厳密に吟味していたようです。収録を行ったものの、本人が演奏に納得せず実際はリリースされなかった音源も多数あるようで、前出の野島友雄氏によるとビクターで収録した音源のなかでもリリースできなかった音源やテイクは多く存在するとのことでした。時にはライヴが終了した後でも再度収録のために演奏を頭から行うなど、拘りと高い意識を常に持っていたとのこと。一般的にも完璧主義者としても認識されており、類稀なる集中力と緊張感を持って、この上なく練磨された演奏で聴き手を圧倒する印象が強いのがまさにリヒテル、そのものではないでしょうか。納得するまで追求する姿勢もまた、リヒテルを語る上では欠かせない要素のひとつと言えます。残された音源はいずれもリヒテルしか成し得ないピアニズムが活きており、聴き手も納得させられるものばかりです。
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タワーレコード(2026/06/25)
DISC1の「フライブルク・コンサート」は、1974年に亡くなったオイストラフを偲んで開催された演奏会のライヴを主体とした録音で、オイストラフ亡き後、コンビを組んでいたカガンとの2日間にわたるコンサートが行われました。フライブルクのアルベルト・コンツェルテが主催し、パウルス教会ホールでの「オイストラフ追悼コンサート」の記録です。2日間とも同じ演目で演奏されましたがプロデューサーとしてこの収録を行っていた野島友雄氏によると、演奏会での出来にリヒテルが満足せず、終演後再度カガンと演奏を行いそのテイクも収録したとのことでした。最終的にどのテイクをリヒテルが採用したかは不明ながらも、常に最善を目指す姿には目を見張るものがあります(収録が夜中までかかったため、外部に対して防音効果のない教会から音が随時漏れていたようで、周辺の住民から苦情が何度も来て大変だったとのお話しを野島氏ご本人から聞けました。最終的に状況は納得いただいたようです)。リヒテルを語る上で欠かせないエピソードと言えそうです。演奏自体は、70歳直前のリヒテルが若い頃のパワフルで緊迫した演奏から、気品を備えながらもより楽曲に即した真摯な演奏を主体にしていることを強く感じさせます。かつてオイストラフと名演を残したカガンとの2曲は特に必聴です。
DISC2の「フライブルク・リサイタル」は最終日3日目の若き日のバシュメトとの共演で、いずれもリヒテルとの息の合った3曲を披露しています。バシュメトは当時33歳。リヒテル・ファミリーの一員として若手の中でも世界的な評価を既に得ていました。遺作である最後のショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタでの息を飲む両者のやり取りは特に聴きものです。細かく神経を張り巡らせるリヒテルの表現は必聴であり、ライヴで収録した意味を持ちます。アルバム全体含めリヒテルの意識は、今回の新規序文解説に伊熊氏が記載したチェリストでありリヒテル・ファミリーの下記グートマンの言葉によく表れているのではないでしょうか。
「リヒテルは人の心を読むことが得意でした。お世辞や心にもないことをいう人はすぐに見破られてしまいました。音楽にもその人間性が現れています。リヒテルはありのままの、飾らず気負わず、自然体の音楽を好んだのです。その真摯な生きかたと音楽は尊敬に値します。もうああいう偉大な人は現れないと思います」(解説書より引用)。
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タワーレコード(2026/06/25)
今回の音源は元々デジタル録音で収録されています。当時のビクターが誇る最新鋭のデジタル・レコーダー、DAS900を用いて収録が行われました。今回の最新復刻では、発売時のマスターデータ(44.1kHz/16bit)を基に「K2」の技術を用い192kHz/24bitにアップコンバート後、DAコンバーター(DCS-955)でアナログ化を行った上でDSD化することにより、原音の追求を図りました。SACD層だけでなくCD層でもその差を感じることができます。「K2」テクノロジー(K2HD)を用い、最新でマスタリングを行った上でSACDハイブリッド盤として新規で復刻します。
尚、解説書には初出時の一部解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケット・デザインにはDISC1の「フライブルク・コンサート」を採用し、解説書裏にDISC2のオリジナル・ジャケット・デザインをカラーで収納しています。
<K2HDマスタリングとは>
「原音を追求したK2HDマスタリング」
「K2」テクノロジー(K2HD)では、失われた音楽情報を解析することで、それぞれに異なる倍音成分を持つ楽器ごとの音色の復元や、演奏者の音楽表現の再現までを可能にしています。本作のマスタリングでは、当時のディレクターとレコーディング・エンジニア立合いの元、「K2」の技術を使い、CDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートすることで原音の追求を図りました。SACD層だけでなくCD層でもその差を感じていただけるものと思います。
■「K2」とは
日本ビクターとビクタースタジオが共同開発した音源デジタル化における高音質化情報処理技術です。
■「K2」の理念
「元の状態に戻す・復元する」「変質させない・オリジナルのまま」、この2つの指針に基づき、「アーティストの拘りの音をオリジナルのままに再現する」これが「K2」の理念です。
■22.05kHz以上の復元(失われた情報の復元)
音は多くの倍音により構成されており、その倍音はデジタル化で失われてしまいます。「K2」は、失われた音楽情報を時間軸で解析し、デジタルマスターで失われた再生周波数22.05kHz以上の周波数を再現することにより、楽器毎の倍音の音色や、演奏者の表現を復元し、オリジナルマスターと同等の音楽表現を再現しています。
■本作独自のマスタリング
本作は、K2HDによりCDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートし原音の追求を図りました。周波数領域ではなく時間軸で処理をする「K2」だからこそ実現可能な技術です。
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タワーレコード(2026/06/25)