独創的な歩みを続けるヘムシング、生涯をともに歩んだブルッフの名協奏曲。
ノルウェー出身のヴァイオリニスト、エルドビョルグ・ヘムシングの最新アルバム『ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲』がソニー・クラシカルよりリリースされます(アナログ盤と配信のみのリリースで、現時点でのCD発売の予定はありません)。
指揮者ゲルゲイ・マダラシュ率いるオスロ・フィルハーモニー管弦楽団との共演で録音された本アルバムは、独創的なレパートリーへの取り組みで知られるヘムシングが、マックス・ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」を中心に、「ロマンス」、さらには歌曲「夜に」を独奏ヴァイオリンと管弦楽のために新たに編曲した版を収録しています。
マックス・ブルッフ(1838–1920)は、美しい旋律で知られるドイツ・ロマン派を代表する作曲家の一人です。ブラームスと同時代に活躍し、日本では山田耕筰の師としても知られています。また、ヨアヒムやサラサーテといった名ヴァイオリニストたちとの交流は、数々のヴァイオリン作品を生み出す大きなきっかけとなりました。「ヴァイオリンはピアノよりも美しく旋律を歌うことができ、旋律こそ音楽の魂である」というブルッフの言葉どおり、「ヴァイオリン協奏曲 第1番」は、彼の比類ない旋律美を存分に味わうことのできる代表作です。
この録音は、ヘムシングが幼い頃から向き合い続けてきたこの協奏曲との歩みを結実させたものでもあります。彼女は幼少期にオスロ・フィルハーモニー管弦楽団との共演で初めてこの作品を演奏し、それ以来長年にわたって演奏を重ねてきました。
「ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、私にとって生涯を通じて寄り添ってくれる作品です。私はこの作品とともに成長してきました。長年向き合うなかで、この作品は実にさまざまな色彩や感情、そして幾重もの意味を私に示してくれました。そして今、この作品への解釈が録音にふさわしい段階に達したと確信し、本アルバムの制作に臨みました。」
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ソニー・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2026/07/17)
表現力豊かな音色と卓越した技巧で知られるヘムシングは、この協奏曲の「歌うような」性格を解釈の中心に据え、ブルッフ作品に特有の技巧性と豊かな音楽的表現との絶妙な均衡を鮮やかに描き出しています。
ヘムシングは各楽章について、「第1楽章は情熱や憧れ、期待感に満ち、まるで対話のように音楽が紡がれていきます。第2楽章はこの協奏曲の心臓部ともいえる存在です。そこで歌われる旋律は、ヴァイオリンのために書かれた旋律の中で最も美しいものの一つです。優しさと温もりにあふれ、時を超越したような安らぎを与えてくれます。そして終楽章では、喜びとエネルギー、輝きが一気に解き放たれ、祝祭的な高揚感へと導かれます。」と語ります。
さらにアルバムには、ブルッフの抒情的な音楽世界をより深く味わうことのできる二つの作品が収められています。「ロマンス」は、もともとヴィオラと管弦楽のために作曲された作品ですが、本録音ではブルッフ自身が編曲した「ヴァイオリンとピアノ版」のパートを、原曲の管弦楽伴奏と組み合わせるという独自の試みが実現しました。しかもヴァイオリン・パートは移調を施すことなく、そのまま原曲の管弦楽と完全に調和しています。
アルバムの最後を飾るのは、ヤン・ペーター・クロプフェルがブルッフの歌曲「夜に」をヴァイオリンと管弦楽のために新たに編曲した作品です。クロプフェルはヘムシングの前作「カラード・バッハ」にも編曲者・ピアニストとして参加していたハンブルク在住のトランペット奏者・アレンジャーです。
ヘムシングはこう締めくくります。「ブルッフはヴァイオリンという楽器を驚くほど自然に理解していました。この協奏曲は高度な技巧を要求しますが、その技巧は常に音楽そのものに奉仕しています。だからこそ、この作品ではヴァイオリンは単に華やかに輝くだけではなく、真に歌うことができるのです。そして長い年月を経た今なお、この協奏曲は私の心を揺さぶり続け、私がなぜこの楽器に魅了されたのか、その原点を改めて思い起こさせてくれるのです。」
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<エルドビョルグ・ヘムシング>
母国ノルウェーで幼少期から広くその名を知られ、繊細な感性と豊かな抒情性、そして息をのむような技巧によって世界的な賞賛を集めているヴァイオリニスト。彼女の新鮮な芸術的個性は世代を超えて共感を呼び、新たな聴衆を魅了し続けている。その深い洞察力、明確な芸術的視点、独創性によって高く評価されており、そうした表現は彼女が使用する世界屈指の名器、1707年製ストラディヴァリウス「リヴァス=バロン・グートマン」によって鮮やかに具現化されている。
ソニー・クラシカル専属アーティストとして活動する彼女のディスコグラフィーは、主要オーケストラとの記念碑的な協奏曲から、北欧の自然や文化の美しさ、そして彼女独自のアイデンティティを世界の聴衆と分かち合うことを目的とした先駆的な委嘱作品にまで及ぶ。これまでに『カラーズ・オブ・バッハ』、『グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ全集』、『アークティック』、『アンデシュ・ヒルボリ:ヴァイオリン協奏曲第2番/リキッド・マーブル』などを発表しており、ノルウェーのグラミー賞やオーパス・クラシック賞をはじめとする数々の賞を受賞している。
また、アレクサンドル・デスプラ、タン・ドゥン、アンデシュ・ヒルボリら現代を代表する作曲家たちによる演奏会や映像プロジェクトにもたびたび参加している。彼女のヴァイオリンは、アビー・ロード・スタジオで録音されたNetflix映画『フランケンシュタイン』(2025年)のサウンドトラック全編を通じて重要な役割を果たしているほか、高い評価を得ているNetflixシリーズ『ブリジャートン家』にもソリストとして出演している。
さらに、ヘムシングはさまざまな指導的立場でも活躍している。オスロ室内楽音楽祭の芸術監督を務めるほか、故郷ヴァルドレス地方で開催されるヘムシング音楽祭の共同創設者でもある。さらに、世界有数の貴重な楽器コレクションを擁するデクストラ・ムジカ財団の貸与選考委員会委員長を務めており、彼女が使用するストラディヴァリウスも同財団から貸与されている。
幼少期からノルウェーを代表して外交使節団や公式訪問に参加し、王室主導によるアジア訪問や国際連合関連行事などでも演奏を行ってきた。現在も文化外交の推進と次世代育成に力を注いでおり、若手芸術家支援プロジェクト「SPIRE」の芸術監督を務めるほか、バラット・デュエ音楽研究所の芸術家育成プログラムの諮問委員も務めている。
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