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ライ・クーダーが現代アメリカの政治と大統領選を鋭く斬る

Ry Cooder

 

レイドバックしたギター・サウンドにのせて歌うのは、彼が現代アメリカの政治・社会に一言申したい事、そして伝えたい事。その言葉は、大統領選をこの秋に控えるアメリカだけでなく、政治的不安が日々のニュースになっているここ日本でも、「このままでいいのか?」と聞く者に警鐘を促すに違いない。

彼の言いたい事をいくつかここで抜粋すると:

‘Mutt Romney Blues’:
「アル・シャープトン師はかつてこう言った、「彼が自分の犬をどう扱ったかを知るだけで、彼の事が大方分かる」と。マット・ロムニーはあの虚ろな笑いをどこで覚えたんだ?これは犬をビビらせるにはどうすればいい、といったことを綴ったものだ。何も恐れずに言うと、彼を本当に怖いと思うんだ」

‘Guantanamo’:
「グアンタナモから来たカントリー・ガールを歌った美しいキューバの曲がある。平和や自由を綴った歌詞は100年以上前に作られたものだが、その事から推測するに、問題は未だ解決してないのだろう。刑務所は新たな成長産業なのさ」

‘Cold Cold Feeling’:
「大統領は、真っ暗闇の中一人で、大統領執務室を歩いている。批難や告発をする前に、一度彼の身になって1マイル(1.6km)歩いてみるがいい」

‘The 90 and the 9’:
「政治についての父と子の会話。ここロサンゼルスでは、公立学校に軍隊のリクルーターがやってくることを容認している。もしその事に反発したら、ひどく当たられる。そんな共謀共同正犯を何と呼べばいいのか、俺には分からないね」

奇しくも、ニール・ヤングが古き良き時代の歌を掘り起し、そこから現代アメリカを見つめる試みを行ったばかり。自身のサウンドと言葉で現代アメリカを鋭く斬るこの作品は、アメリカ人のみならず、この不安な世紀を生きるすべての人々に強く訴えかけるだろう。

 

 

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掲載: 2012年08月20日 13:15