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世界中を踊らせたティム・デラックスが、2014年新境地へ

Tim Deluxe

2002年に元アンダーワールドのダレン・エマーソン主宰の<アンダーウォーター>「It Just Won’t Do」の大ヒットで一躍その名が広まり、同曲を収録したファースト・アルバムにして大ヒット作『ザ・リトル・ジンジャー・クラブ・キッド』1枚でUKハウスを代表するアーティストに登り詰めたティム・デラックスが4年ぶりとなるアルバムをリリース!ジャズやファンク、ソウル~ディスコのエッセンスを取り入れた本作はサン・ジェルマンによるジャズ・ハウスの古典「Rose Rouge」を彷彿させるニーナ・シモン使いの「Feelings」(M-2)を筆頭に90年代初頭の<ニュー・グルーヴ>や<エイト・ボール>といったNYのレーベルに残されたジャズ・ハウス、マスターズ・アット・ワークの諸作に通じる艶やかなグルーヴを搭載したキャリアにおける異色作にして、新たなる代表作!

【ティム・デラックス・インタヴュー!】

●アルバム『The Radicle』をつくり終えた今の気持ちを教えて下さい。

ほっとしているよ。(笑)アルバムを作るのはいつも大変だから、制作が終わって本当に良かった。今回は、以前のようなクラブ・ミュージックのアルバムを作っていた時と、全く違う考え方で制作に取りかかったから、とてもクールだったよ。

● 今作はJAZZのティストが強いですが、やはり貴方らしいダンス・ミュージックとのリンクも感じられます。ジャンルのバランスに関して制作段階で何か気にかけていた事はありますか?

もちろん。バランスの良い作品にしたかった。どちらのジャンルに偏り過ぎてもだめだと思っているよ。自分にとって、バランスが取れているといはそういうこと。曲は、ダンス・フロアでかけても通用するものであってほしかった。その一方、単なるクラブ向けのトラックではなくて、クラブ以外の場所―例えば家で聴いても楽しめるものであってほしかった。いつも自分に問いかけていたのは、「この曲は日曜の朝かけても良さそうな曲か?日曜の朝かけたら僕はイライラしてしまうだろうか?」ということだった。もし、イライラしてしまうようであれば、その曲はヘビー過ぎるし、クラブのテイストが過ぎる。そういう事を念頭に置いて曲を作っていたよ。

● 自身のルーツに立ち返るとおっしゃっていましたが、(確か前作でもそう話していたと思います)このテーマはここ数年の間常に思っていた事なのでしょうか?

そのテーマに数年前から惹かれていったんだと思う。そのことについて考えることから始まって、今回のアルバムでそれが形として表れたと思う。前作の時も、ルーツに帰るということに惹かれていたよ。その時は、そのことについて特に深く考えはしなかったけど、今まで聴いてきたレコードから、自分がどんな影響を受けてきたのかに気がついた。自分が受けた影響というのは、今まで自分が聴いてきた音楽がベースになっているよね。それに無意識に興味を持ったのがきっかけかな。そして今回のアルバムではより意識的にルーツに帰るということをやってみたんだ。でも、今回のアルバムはルーツに立ち返ることよりも、実際の音楽との繋がりを再び感じるということが一番重要なテーマだ。ピアノを習い始めて、ピアノの理論や音楽の理論を学ぶことによって、僕は音楽の基本的な部分と繋がることができるようになった。最も基本的な部分とは、楽器と音楽とその響きだ。プロダクション過程よりも、ずっと前の過程。偽りのない、生の音。そういう部分と繋がりを感じられるのはクールだった。

(*)今作の多くの楽曲は生演奏した曲を素材として解体し、それをループ加工して作っている。

● また、1st『The Little Ginger Club Kid』など昔の作品を振り返ってどう感じますか?

昔の作品もクールだと思うよ。(笑)昔の作品を振り返ると「結局は今の時点に至るまでの過程だったのだな」と感じる。なぜなら、当時アルバムの制作過程も、今回のそれとそんなに似ていないわけではないから。ミュージシャンと一緒に仕事をして、昔の作品の方がシンガーと沢山仕事をしていたけど、色々な人と一緒に作業をしてコラボレーションが多いアルバムだった。僕の役割としても、自分以外の人に頼っている部分が大きくて、色々な人から助けてもらったり教わったりしていた。だから、今、あのアルバムを振り返ると、僕のアルバムというより、バンドというか集合体のような作品だと思う。だが、今回のアルバムに関しては、確かに参加しているミュージシャンは多いけど、曲のほとんどが僕という源から生まれたものだ。自分がどういう曲を作りたいのかというヴィジョンが明確だった。だから、長い目で見ると、昔の作品を作ったのも、大きな過程の一部分で、アルバムを作るという作業を長年やっていると、それが練習となり、段々と上達していくのではないかと思う。
『Fluid Moments』の場合は、全く違ったコンセプトで作った作品で、クラブ志向のダンス・フロア向けのアルバムを作ろうと考えていた。ダンス・トラック以外の曲は考えていなかった。
『Ego Death』もまた違った雰囲気で、今までとは違ったこと、型破りなことをやりたかったから実験的な感じの作品になった。

● あなたにとってルーツに立ち返るという事は、どのような結果を生みましたか?(新たなに制作意欲が湧きましたか?)

アルバムを聴いてもらえれば分かると思うけど、ジャズやブルース、そして僕がダンス・ミュージックのレコードにはまっていた頃の古いハウス、そういったものとのコネクションが感じられると思う。僕はそういう音楽とコネクトすることができたし、そういう音楽を作った昔のミュージシャンたちとも繋がりを感じることができた。僕が昔、大好きだったレコードには共通点があって、みんな同じところから影響を受けたレコードなんだ。ブラック・ミュージック、ジャズ、ブルース―そういった影響。今回のアルバムからはそういうテイストが強く感じられると思う。

● 今作で起用したミュージシャン達とは以前から知り合いなのですか?

以前から知り合いの人も何人かいたよ。ジム・マランは以前からの知り合い。フレイジャー・T・スミスも、以前一緒に仕事をしたことがあるね。ベン・ヘイズルトンは友人。ジェイ・フェルプスは、ベンと一緒にギグをやっているのを見たことがあるから知っていた。知っていたのはそれだけ。他のミュージシャンは知らなかった。ミュージシャンたちと知り合いになって、一緒に仕事ができて良かったよ。DJやプロデューサー以外の音楽関係の人たちと一緒に仕事をしたことは大きなインスピレーションになった。僕が今後、開拓して行きたいのはそちらの方面だからね。僕自身が一人前のミュージシャンになりたい、という願望もある。彼らと一緒に仕事をして、色々質問したり、音楽の話をするのは、とても素敵なことだったよ。

● 最近よく聴く音楽作品などあったら教えて下さい。(おすすめの楽曲でも)

ジャメオ・ブラウンのアルバムはすごく良い作品だよ。ジャズのアルバムだけど、最近のお気に入り。

●最近のジャズのアーティストでしょうか?昔の人でしょうか?

最近の人だよ。アルバムのタイトルは『Transcendence』。スピリチャルな感じのアルバムだね。アメリカ南部へ行って、南部の素晴らしいアーティストたちと一緒にレコーディングしてできた作品。本当に素晴らしいアルバムだよ。

あと、最近良いのは何だろう…ダンス・ミュージックだとロバート・フッドのフロアプラン(*)が好き。あと、オスンラデも好きだよ。『Dionne』という最高のレコードを去年リリースしたね。ディートロンのアルバムも好き。とてもクールだ。最近の音楽で聴いているのはその辺りかな。
(*)ロバート・フッドの伝説的ハウス・プロジェクト

● 今回の来日で一番楽しみにしている事は?(SHOW/プライベートどちらも)

東京マラソンを走ることだよ!(笑)東京の街を自分の足を使ってクルージングする。でも、来日すること自体が楽しみだよ。マラソンもそうだけど、もちろんギグも楽しみだし、アルバムの反応を見るのも楽しみ。日本のオーディエンスの前で初めてアルバムの曲をかけるのも楽しみだね。東京はとてもクールな場所だから、いつ行っても素敵な経験ができるよ。自由な時間がある時に、町を散策したり、新しくできたレストランなんかをチェックしたい。代々木公園や、砧公園を走るのも楽しい。僕は砧公園の近くに滞在するから東京にいるときは砧公園でトレーニングするんだよ。

●砧公園は良いですよね。トラックもあるし、公園自体もランニングに適してますよね。

僕は公園の中を走るんだ。

●東京マラソンを走るのは初めてですか?

今回で2回目だよ。

● マラソンをしている時なんかに曲のアイデアが生まれたりしますか?

うん、沢山アイデアが浮かぶよ。やってみたい企画があって、これは音楽というよりもアート・プロジェクトに近いんだけど、体中あちこちにセンサーを貼り付けて、走っている最中のデータを記録する。それを音楽として変換するんだ。走っているときのリズム、心拍数、呼吸…そういうデータを全て音楽にする。長距離を走ったときの膨大なデータを集めて、それを音楽という形にしたいんだ。

●それは面白そうなプロジェクトですね。

ああ、いつかやってみたいと思っている。

● バンドでライブする予定などあったりするのでしょうか?

バンドでライブは是非やりたいと思っている。具体的な予定はまだだけど、バンドでライブができたら良いと思うよ。アルバムのサウンドが、ライブっぽいサウンドなのも、DJたちがクラブでかけるためだけのアルバムではなく、最終的にはミュージシャンたちと一緒にバンドとしてツアーができるようにしたかったから、こういうサウンドに仕上がった。クールなジャズ・クラブとかでライブができたらいいな!クラブでもクラブ以外の会場でもライブができれば一番ベストだと思う。クラブ以外の面白そうな会場でイベントをやってみたり、クラブでミュージシャンたちに僕の昔の曲をライブでアレンジしてもらいながら演奏してもらうのも面白いと思う。クールなショウになると思う。

● 日本のファンへ一言

再び日本に行くのが待ち遠しく、ワクワクしているよ。皆がいつも応援してくれることや、ギグで最高なテンションを見せてくれることに感謝している。今回のアルバムも楽しんでくれると嬉しいな。

カテゴリ : ニューリリース | タグ : クラブ/テクノ

掲載: 2014年01月16日 18:32