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スティーヴィー・ワンダーの再来!? ラウル・ミドン待望の新作

Raul Midon

2005年、スティーヴィー・ワンダー、ジェイソン・ムラーズらをゲストに迎えたアルバム『State Of Mind』で鮮烈なデビューを飾った、盲目のシンガー・ソングライター/ギタリストのラウル・ミドン。
本作は、Emarcyレーベルからの3 作目『シンセシス』(2009) 以来の待望のアルバム。心機一転、西海岸の人気レーベルArti stry/Mack Avenue からの第一弾アルバム。セルフ・プロデュースによる、シンプルでストレート、初心に還ったかような、ピュアでナイーヴな傑作に仕上がっている。
ラウルの愛に溢れたオリジナル曲、ラテン・ソウルフルな歌唱と、からだの一部となってるかのような、実はとんでもない名演奏をさりげなく繰り広げているギターが、実に素晴らしい。
ゲストも豪華。ジョー・サンプル・バンドにも参加した、スピリチュアル・ヴォイスが素晴らしいリズ・ライト嬢、現代ジャズ・ヴォーカルの女王ダイアン・リーヴス、それぞれとのデュエットが正に聴きもの。さらに、それぞれ共演経験もある、当代きってのベース・アイコン、マーカス・ミラーとリチャード・ボナらも1曲づつ参加(M4,10)。
そして、本作のハイライトはラストにやってくる。UK が誇る歴史的ロック・バンド、ザ・フーによる1967 年のヒット曲「恋のマジックアイ」をカヴァー。ザ・フーと云えば、ロック・ミュージカル『トミー』において盲目の主人公がロック・スターになっていく名作があったり、この曲といい、ラウル・ミドンにとっても共感する要素たっぷりなのでしょう、オリジナルを彷彿とさせる、ストレートなカヴァー、ロジャー・ダルトリーの力強い歌唱、ピート・タウンゼントの魂のギター・カッティング(!)が乗り移ったようです。

タグ : ソウル/R&B

掲載: 2014年08月13日 12:29