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Chihei Hatakeyama、2008年から制作されていた新作が遂に完成

Chihei Hatakeyama

 

本作品は暦と夢の関係性がテーマであり、収録された曲のタイトルは月の名前で、それぞれの月に見た夢の曖昧な感触から作曲のインスピレーションを受けている。夢をテーマとした作品集というアイデアは夏目漱石の夢十夜から得ている。全ての曲の基礎となるサウンドファイルはある一日 のギターのインプロヴィゼーションの録音が元になっており、ギター用エフェクターのリヴァーブのフィードバックを最大にして得られた音色である。リヴァーブはBOSSのRV-3(1994年発売)。

90年代のデジタルリヴァーブという事もあり、奥行きをもたらす残響であるはずのリヴァーブなのだが、逆に平坦な音になるというパラドキシカルなエフェクターである。そのサウンドファイルに新たに録音したギター、ヴィブラフォン、ピアノなどを加えて作曲された。サウンドファイルの加工ではこれまでのMAX/MSPやReaktorなどに加え、カセットテープなどのローファイな機材も使用されている。

また今作では、波形編集ソフトのPeakのピッチシフト機能を使って僅かに劣化する、倍音構成、位相の変化といった微細な変化といったところもサウンド加工のテーマとしている。アルバム全体のトーンとして、非常に柔らかい絹のようなアンビエント・ドローン作品ではあるが、随所に直線的でない変化が仕掛けられており、夢の脈絡の無さといった所からの影響である。

アルバ収録曲のJulyは2009年にYoutubeにアップされ反響を呼び正式なリリースが待ち望まれていた曲で、Youtubeの容量制限の関係でカットされていた後半部分も収録された完全版となっている。

 

掲載: 2015年10月14日 16:38