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ジェレミー・ペルト、世代を越えてジャズの粋を伝える一作

Jeremy Pelt

1976年生まれ、2002年にFresh Sound New Talentで初のリーダー作を出して以来、年に一作のペースで着実な歩みを見せるジェレミー・ペルトの14作目となる新作。

ロイ・ハーグローブや、グレッグ・オズビー、またミンガス・ビッグ・バンドのメンバーとしても活躍。当代を代表するトランペッターとして人気を博しつつ、2013年、14年にリリースした作品では、急激にエレピや、ウーリッツァをフィーチャーしたエレクトロ路線に舵を切り、シーンを驚かせましたが、前作『Tales, Musings and other Reveries』から改めて、アコースティックな世界に戻ってきました。

そして、本作は、正に原点回帰の快作!!となりました。二言は無しのアコースティックなストレート・アヘッド・ジャズ!

ペルト自身が長年共演を望んでいたロン・カーターも加わり、いつもに増して熱い語り口で、聴く者をノックアウトするオープニングからペルトの演奏は絶好調。一方、ミディアム・テンポの曲では、味わい深くスウィンギー&ブルージー。古き良きブルースあり、ロマンあふれるバラードあり、60 年代に頂点を極めたアコースティックのモード・プレイあり、正に歴史を体得した現代に生きるプレイヤーの最高峰の演奏を聴くことができます。

ロン・カーターはもちろんのこと、匠のドラモンド、そして、ペルトとほぼ同世代のダニー・グリセットも好演。アート・ブレイキーがかつて見せた度肝を抜くようなロール・プレイ、ハンコックが乗り移ったようなグリセットの演奏も聴きもの。またロン・カーターは楽曲も提供。1937年生まれ、ジャズの歴史を創ってきたアーティストならではのブルース・ナンバーは聴き逃せません!

Jeremy Pelt / #Jiveculture
1. Baswald’s Place
2. Einbahnstrasse
3. Dream Dancing
4. A Love Like Ours
5. The Haunting
6. Rhapsody
7. Akua
8. Desire

Personnel:
Jeremy Pelt(tp), Danny Grissett(p), Ron Carter(b), Billy Drummond(ds)

掲載: 2015年12月25日 15:36