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世界各地の映画祭で絶賛された『ディスカヴァーデイル』が日本上陸

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ジムはアイルランドのダブリンで活動するミュージシャン。彼のバンド“デッド・キャット・バウンス”はまるで鳴かず飛ばず、解散宣言したばかりだが、ひょんなことから彼は自分の父親が世界的ロック・スター、ホワイトスネイクのシンガーであるデヴィッド・カヴァーデイルであることを知る。ワールド・ツアー中の父と会うために、彼はバンド仲間の2人を引き連れて、ロンドン・ノルウェー・デンマークへの珍道中に旅立った!

後先考えずの無銭旅行。路上ライヴをやったり、「泊めてくれたら××するよー」と持ちかけたりしながら、まだ見ぬ父を追いかける。はたして彼らはハード・ロック界のスーパースターと遭遇して、5ッ星ホテルとジャクジーのゴージャス・ライフを手にすることが出来るのか…?

かつて“ロック界きっての色男”といわれ、あちこちで浮き名を流したデヴィッド・カヴァーデイル。どこかに隠し子がいてもおかしくない?...と、リアリティを感じさせてしまうのが本作のツボだ。あちこちでやらかすバカぶりに抱腹絶倒しながらも、いつの間にかジムを応援せずにいられない。

そんなストーリーの全編を彩るのが、ホワイトスネイクの新旧の名曲だ。「スティル・オブ・ザ・ナイト」や「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」などの世界的大ヒット曲から、初期の「ライ・ダウン」「スウィート・トーカー」「ウッド・アイ・ライ・トゥ・ユー」といった初期のシブいブリティッシュ・ロックまでが盛り沢山で、見た後には彼らの昔のレコードを引っ張り出したくなること間違いなしだ。随所に出てくるロック小ネタやバンド名も、マニアをニヤリとさせるものだったりする。

ジム(ジェイムズ・ウォルムズリー)、シェイン(シェイン・オブライエン)、デイモ(デミアン・フォックス)からなるデッド・キャット・バウンスはアイルランドのTVや舞台で活動するコメディ・バンドで、3枚のアルバムも発表、海外ツアーも行うなど、世界的な人気を博している。その脱力ギャグはもちろん、演奏力も確かなもので、本作でも自らすべての楽曲を作曲、プレイしている。

監督のジョージ・ケインは『Sketchy With The Diarmuid Corr』『Live At The Electric』などのTV番組を手がけてきた新進気鋭の映画作家。ヨーロッパを股にかけた魂のジャーニーを鮮明に描いているのに加え、画面の端々からもロック愛・ホワイトスネイク愛が伝わってくる。

ロンドンのロック名所が幾つも登場するのも嬉しい。クイーンのミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』が上演されるドミニオン劇場やビートルズでおなじみアビー・ロード・スタジオ、数々のクラブやスタジオがあったソーホーの中華街など、本作はロック聖地巡礼の旅路でもある。

元ディープ・パープルのシンガー、デヴィッド・カヴァーデイルが1978年に結成したホワイトスネイクは、アルバム『白蛇の紋章』(1987)が全世界で1千万枚以上のセールスを記録するなど、35年以上にわたってハード・ロック界の最前線をリードしてきた。バンドは今年最新作『ザ・パープル・アルバム』をヒットさせ、10~11月の日本公演も大成功に終わらせたところだ。ホワイトスネイクのファンから音楽マニア、ロード・ムービーの愛好家まで、『ディスカヴァーデイル』はデヴィッド・カヴァーデイルの人間像を“ディスカヴァー=発見”する音楽の旅路なのだ。

 

 

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タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2016年01月21日 10:18