ヒップホップ／R&Bシンガー、クリストン・グレイのデビュー・アルバム

コンテンポラリー・ゴスペル界のカリスマ、カーク・フランクリンが、自ら自身のレーベル〈Fo Yo Soul〉と契約したヒップホップ／R&Bシンガー、クリストン・グレイのデビュー・アルバム。

もともとは兄と共にゴスペル・グループで活動していた経緯を持つが、2014年にリリースしたソロ・アルバム『School of Roses』がビルボードR＆Bチャート5位にランクインしたことでアーバン・シーンから注目を集め、その後各メジャー・レーベルの争奪戦の後、カーク・フランクリンのレーベルと契約したという経緯を持つ。

彼がゴスペルのレーベルを選択したことは意外性をもって受け取られたが、熱烈なラブコールと共に「ヒップホップを続けるべきである」とカーク・フランクリンからのメッセージがあったこと、幼少期から親しんだゴスペルへの敬意、そしてゴスペルの精神を更に広げるためにも、マリ・ミュージックやヘゼカイア・ウォーカーのように、クロスオーバーで新たなヒップホップの境地を切り拓く意志ゆえの選択であった。

その意向が強く反映された今作には、メッセージの伴ったプログレッシブなヒップホップと、上質なR＆Bが共存している。カーク・フランクリンに見出された才能としてだけでなく、進化し続けるヒップホップ／R＆Bの今を体験できる一枚。

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