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ジョイス・ディドナート『イン・トゥ・ザ・ファイア~ライヴ・アット・ウィグモア・ホール』

ディドナート~イン・トゥ・ザ・ファイア

圧倒的な人気と実力を誇るジョイス・ディドナート。バロックから現代まで幅広いレパートリーを持ち、どんな歌でも彼女ならではの優しくも決然とした語り口で歌い上げることで定評のある歌姫です。

2017年にウィグモア・ホールのライヴを録音したこのアルバムは、彼女の表現力の高さを見せつけるような1枚です。中心となるのはディドナートのために書かれたヘギーの新作歌曲集「カミーユ・クローデル~火の中」であり、これは、これまでにも様々な社会的問題を自作に取り入れてきたストーリー・テラーのヘギーらしく、才能ある彫刻家カミーユ・クローデルの手記に基づく衝撃的な内容を持ち、伴奏は弦楽四重奏にゆだねられています。このアルバムでは、ブレンターノ四重奏団にも重要な役割が与えられており、リヒャルト・シュトラウスやドビュッシーの歌曲も全て「弦楽四重奏版」で演奏され、ディドナートの声との絶妙な融合を聴かせています。途中に置かれた夭折の作曲家ルクーの「弦楽四重奏のためのモルト・アダージョ・センプレ・カンターテ・ドロローゾ」の静かな美しさは強い印象を残すことでしょう。

リサイタルのアンコールで歌われたのはシュトラウスの「明日」とグルーバーの「清しこの夜」。彼女が得意とする「明日」、そしてリサイタル当夜がクリスマス・シーズンであったことをそっと知らせる「清しこの夜」。素晴らしい一夜を締めくくるにふさわしい洒落た選曲です。
(ワーナーミュージック)

【収録曲】
リヒャルト・シュトラウス:
1) 君は僕の心の王冠 Op.21-2
2) ぼくの想いのすべて Op.21-1
3) 夜 Op.10-3
4) ああ恋人よ、別れねばならない Op.21-3
5) 黄昏の夢 Op.29-1
ギヨーム・ルクー:
6) 弦楽四重奏のためのモルト・アダージョ・センプレ・カンターテ・ドロローゾ
クロード・ドビュッシー:
7-9) ビリティスの3つの歌
ジェイク・ヘギー:
10-17) 歌曲集「カミーユ・クローデル ~ 火の中」
リヒャルト・シュトラウス:
18) 明日 Op.27-4
フランツ・クサーヴァー・グルーバー:
19) 清しこの夜

【演奏】
ジョイス・ディドナート(メゾ・ソプラノ)
ブレンターノ弦楽四重奏団
〔マーク・スタインバーグ(ヴァイオリン)、セレーナ・キャニン(ヴァイオリン)、ミッシャ・エイモリー(ヴィオラ)、ニナ・マリア・リー(チェロ)〕

【録音】2017年12月21日、ロンドン、ウィグモア・ホールでのライヴ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2018年07月20日 12:00