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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.20

ソニー・ロリンズ『サキソフォン・コロッサス』(1956)

SC

ソニー・ロリンズ(ts)
トミー・フラナガン(p)
ダグ・ワトキンス(b)
マックス・ローチ(ds)

1956年6月22日 ニュージャージーにて録音

曲目:
1.セント・トーマス
2.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
3.ストロード・ロード
4.モリタート
5.ブルー・セヴン

【アルバム紹介】
1.プレスティッジが誇るワン・ホーン・カルテットの傑作
2.ソニー・ロリンズの名オリジナル曲“セント・トーマス”収録
3.渋すぎ、上手すぎなリズム・セクションも魅力

前回のスタン・ゲッツまで、いろいろな意味でクールなスタイルのサックス奏者の名盤を連続で紹介してきましたが、今回はホットで豪放、それでいて歌心抜群のテナーマン、ソニー・ロリンズの代表作『サキソフォン・コロッサス』です。

ソニー・ロリンズといえば、1950年代のハード・バップ・ジャズ全盛期に、当時人気プレイヤーだったジョン・コルトレーンのライバル的な存在で知られていますが、本作はロリンズのワン・ホーン・カルテットの魅力全開のアルバムであり、プレスティッジ・レーベルの数ある傑作のなかでもダントツのロングセラー盤となっています。

なんといってもドラムスのラテン・ビート(カリプソ)のイントロに導かれ、軽快なテーマ・メロディがロリンズのテナー・サックスで奏でられてゆく1曲目“セント・トーマス”から一気に引き込まれます。この曲はロリンズのオリジナル曲でもっとも有名なナンバーです。そのメロディはもともとはイングランドの伝承曲が元になっているとも言われており、ピアニストのランディ・ウェストンは本作と同時期の自身のアルバム『ゲット・ハッピー』の中で“ファイア・ダウン・ゼア”という曲名で演奏していたりします。
この“セント・トーマス”に続いて、2曲目に収録のロリンズのマイナー・バラードの名プレイともいえるスタンダード・ナンバー“ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ”、そして4曲目のクルト・ワイル作曲のミュージカル『三文オペラ』の中の“モリタート”も必聴の名演となっています。

本作でのロリンズの名演ぶりは、やはりこのバックのメンバーあってこそ、というのが何度も聴いているとわかってきます。ピアノには名手トミー・フラナガンが出過ぎず、引っ込み過ぎず、ツボを得たプレイでフォローし、地味目ではありながらよく聴いてみると素晴らしいベース・ラインのダグ・ワトキンス、そして、豪快ながらフレキシブルなドラミングのマックス・ローチと、渋すぎ、上手すぎな面々がそろっているのも大きな魅力となっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
“セント・トーマス”に尽きます。“ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ”も捨てがたい。

時代を超えてなお名盤でありつづけるには、収録曲の中にキャッチーな1曲がないと、そうはなりません。この『サキソフォン・コロッサス』はまさにオープナーである“セント・トーマス”がそれにあたります。どんなアルバムでも、通して聴いた後になんとなく全体の印象が記憶に残っている、というだけのものはやがて忘れてしまうことが多いですが、この“セント・トーマス”のような曲があれば、その時受けたアルバムのインパクトはその後も消えないままでいることが多いです。
そんな“セント・トーマス”のスカッとしたエンディングの後、情感豊かなテナーのフレーズで引っ張り込む名スタンダード曲の“ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ”は最初聴いた時はすごい衝撃だったのを覚えています。この曲はいろいろな人の演奏がありますが、ロリンズの歌心満載のブロウ、まるで楽譜に書かれているんじゃないか、と思えるほどラストの1音まで無駄な音がまったくないアドリブ・ソロ、誰が聴いても「ジャズのサックスってスゴイな~」と感じる名演だと思うのです。
なお、ソニー・ロリンズは2019年の3月現在御年88歳で今なお現役です。まさにリヴィング・レジェンドと呼ぶにふさわしいテナーマンです。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年03月29日 10:00