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Rhiannon Giddens(リアノン・ギデンズ)がFrancesco Turrisi(フランチェスコ・トゥリッシ)とのデュオ・アルバム『There Is No Other』をリリース

Rhiannon Giddens(リアノン・ギデンズ)Francesco Turrisi(フランチェスコ・トゥリッシ)デュオ・アルバム『There Is No Other』

第53回グラミー賞でベスト・トラディッショナル・フォーク・アルバムを受賞したアメリカン・ルーツ・ミュージック・グループ、キャロライナ・チョコレート・ドロップスのメンバーであり、ここ日本でも2016年に初来日公演を行い、多くのミュージック・ファンを虜にした、アメリカン・ミュージックの知性を感じさせるマルチ・インストゥルメンタリスト/シンガー・ソングライター、リアノン・ギデンズ。その彼女がリリースするニュー・アルバムは、イタリア出身、今はダブリンを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリスト/ジャズ・アーティストであり、”音楽の錬金術師”とも評される、フランチェスコ・トゥリッシとのデュオ・アルバムである。

リアノン・ギデンズ名義のスタジオ・アルバムとしては、2017年の『FREEDOM HIGHWAY』以来約2年振りとなる本作『THERE IS NO OTHER』。ジョー・ヘンリーがプロデュースを手掛けた本作は、アイルランドのダブリンで、僅か5日間でレコーディングされた。短い期間だったが、とても創造的で濃密な時間だったという。

アメリカンの音楽、ヨーロッパの音楽をそれぞれルーツに持つ二人が、ややもすれば見過ごされがちなアフリカやアラビアの音楽を辿る本作『THERE IS NO OTHER』は、音楽の普遍性と人類共通の体験を解明する作品である。収録曲の大部分は、リアノンとフランチェスコの二人が、1つ、もしくは2つの楽器を共に演奏するというミニマルな編成によるもの。アルバムを構成するのは、リアノンによるオリジナル楽曲と、アメリカのフォーク・シンガー、オラ・ベル・リードの「I'm Gonna Write Me A Letter」からオスカー・ブラウンJr.の「Brown Baby」、イタリアのトラディッショナル・ナンバー「Pizzica di San Vito」、そしてイタリア出身、後に渡米したオペラ作曲家、ジャン=カルロ・メノッティの「Black Swan」まで幅広い楽曲が選ばれている。

リアノンが最近IRISH TIMES紙に語ったところによると、本作は「動作」についての作品だという。「私達、双方の動作についての作品なの・・・人間の動作、そしてそれが互いにどのように作用するのか。私達が使っている楽器の種類やその多彩さ、例えばその楽器がどこから来たのかとか、どうやってここまで旅してきたのかを考えると、結構な驚きがあるかも知れない。私達の音楽に対するアプローチはとても似ていて、それは多分、音楽がどこからやってきたのかを学んでいるからだと思う。でも、実際の演奏となると、私たちはお互いの感じているままに演奏しているだけなの」

そのように制作された『THERE IS NO OTHER』は、エディットもオーバーダブも最小限に留められていたという。そして共にマルチ・インストゥルメンタリストである二人は、そのアルバムの中で、様々な楽器を演奏している。例えば、リアノンはヴォーカルの他、ミンストゥレル・バンジョー、オクターヴ・ヴァイオリン、ヴィオラを弾いており、一方のフランチェスコも、ピアノにアコーディオン、世界最古の太鼓と言われるフレーム・ドラムにタンブレロ(タンバリン)、リュートやコラシオーネなどの古楽器、チェロ・バンジョーにペルシャのフレーム・ドラムであるダフなどを演奏している。幅広く、多彩な楽器を演奏することによって、二人はアラビア、アフリカ、ヨーロッパ、そしてアメリカの音的繋がりも本作で見せてくれているのだ。また二人の他には、ケイト・エリスがチェロで参加している。

二人のマルチ・インストゥルメンタリストが探求する、国境もジャンルをも超えた所に流れる”音的共通意識”――「”自分とは異なるもの”などいない」そんなメッセージが込められている本作は、アイディアを広げ、繋がり、そして経験を分かち合うことを称える作品なのだ。

 

【収録曲】
01. Ten Thousand Voices
02. I’m Gonna Write Me a Letter
03. Wayfaring Stranger
04. there is no Other
05. Trees On The Mountains
06. Pizzica di San Vito
07. Brown Baby
08. Briggs' Forro
09. Little Margaret
10. Black Swan
11. I’m On My Way
12. He Will See You Through

Rhiannon Giddens(リアノン・ギデンズ)

 

Our Native Daughters / Songs of Our Native Daughters

キャロライナ・チョコレート・ドロップスの中心メンバー、リアノン・ギデンズ、ニュー・フォーク・シーンの新星、アメシスト・キア、ハイチの血を引くチェロ奏者レイラ・マッカーラ、バーズ・オヴ・シカゴのアリソン・ラッセルら、現在のアメリカーナ・シーンにおける超実力派女性アーティストたちで結成されたアワ・ネイティヴ・ドーターズ。黒人奴隷制度に関する史実を紐解きながら、人種差別、女性蔑視など、今もタブー視され続けている問題をテーマに、アフリカ系アメリカ人女性の悲劇と苦闘、希望を力強く描き出している。白人演奏者の手に渡ったことにより『白人的なアメリカのイメージ』に塗り替えられたアフリカ由来の楽器であるバンジョウの演奏を中心に、先人たちの遺した音楽と文化の実像に迫る。黒人女性たちの魂の歌声が込められた社会的重要作品。

掲載: 2019年06月03日 10:35