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フルトヴェングラー1954年復活祭週間でのバッハ「マタイ受難曲」チェトラ社マスターテープからCD化!

フルトヴェングラー

フルトヴェングラー畢生の名演が魂を揺さぶる。
1954年復活祭週間での「マタイ」復活!!
精神的な内容の深さ、規模の大きさ、フルトヴェングラーにこそふさわしい大曲、世界初出LPのリマスター・テープから初CD化!

少年時代にこの曲を聴いたことが後の成長に本質的な影響を及ぼしたといわれるフルトヴェングラー。生前、多くの文献でこの曲への熱い思いや演奏論を書き記しております。
「神の子の苦しみ、キリストの救済史を自己の魂において深く体験し、最後の、最大の受難曲においてあの巨大な作品を創造することのできた人間、これがバッハなのだ。この大曲は、少なくとも第一音から最終音に至るまで作品に一貫するあの印象深く巨大な情念の統一性に関するかぎり、ロマン派時代の記念碑的作品であるヴァーグナーのトリスタンにのみ比せられるべきものであろう」(1948年、『音と言葉』フルトヴェングラー著・芦津丈夫邦訳・白水社刊より)「バッハは『客観的』に、つまり無表情に演奏すべきだという考え方がある。(中略)音楽文献全体の中で、バッハの受難曲以上に主観的で、個人的で、これほど完璧に感情のうちに溶けこんだ作品は存在しない。バッハはここでは、かつて存在した最大の『ロマン主義者』である。これを確認することこそ、真に『客観性』を意味するといえよう。」(1939年、『フルトヴェングラーの手記』芦津丈夫・石井不二雄邦訳・白水社刊より)

本ディスクは、フルトヴェングラーが亡くなる半年前、1954年復活祭週間の4月14~17日に、ウィーン・コンツェルトハウス大ホールで、マタイ受難曲を演奏したときの記録です。
1979年イタリア・チェトラ社が世界初出LP(LO-508)を発売、84年に「フルトヴェングラー・エディション」シリーズで再発売(FE-34)。キングレコードでは音源の制作元ミラノのディスコスから、マスターテープの提供を受け、最初はGT-7048/50を(1979.7.21),再発盤はK19C-9406/8で発売(1984.7.21)。今回使用のマスターテープ(2トラック、走行スピード38cm/秒)は再発にあたってディスコスでリマスターされたもの。テープヒスやスクラッチノイズはなく、非常にききやすい音質! 潤いのある自然な質感!圧倒的臨場感!これまでリリースされてきた他社盤を凌ぐ優秀音質といっても過言ではありません。
「《マタイ受難曲》は、天上で書かれ、フルトヴェングラーによって感動的に語られた作品である。預言的な作品であり、劇的な要素に満ちている《マタイ受難曲》は、主題こそ普遍的なものだが、基本的にはゲルマン世界に属している。フルトヴェングラーの演奏には精神性が感じられるものの、ただの敬虔さだけでは終わっていない。この曲は温かい血も肉も存在する、人間の記録なのである。」(『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』ジョン・アードイン著 藤井留美訳 2000年音楽之友社刊 より)

ウィーン・フィルの雄弁な演奏とソリストの活躍には目を見張ります。とりわけ、第10曲アルトのアリア「懺悔と後悔」と第12曲ソプラノのアリア「血塗られよ」におけるレズニチェク(フルート)、第26曲テノールのアリア「イエスの傍らで」でのカメシュ(オーボエ)、第47曲アルトのアリア「わが神よ、私を憐れんで」でのボスコフスキー(ヴァイオリン)、第66曲バスのアリア「来たれ甘き十字架」におけるブラベック(チェロ)など、各人の妙技には聴きほれてしまいます。合唱団は豊かで力強い歌声を聞かせ、独唱者ではフィッシャー=ディースカウのイエスが、29歳のときの録音であるにもかかわらず、その後の録音歴の中でも屈指の出来映えを見せています。グリュンマー、ヘフゲン、デルモータも虚飾を排した歌声で聴く者の心に染み入ってきます。(曲番号は旧全集の楽譜による番号)

上演時間上の制約なのか(メンゲルベルク盤も同様)、曲全体の悲劇性、ドラマ性を高めるためのフルトヴェングラーの意図なのか、この演奏には15曲の省略、9曲の一部省略があります。ディスコス制作のこの音源は14日の演奏を主体に制作、一部の曲は他の日(15~17日)の演奏に差しかえられていると思われます。95年に発売されたEMI盤(CD)には2曲(第65曲、第66曲=有名な「来たれ甘き十字架」)が入っておりません。このDISCOS(CETRA)盤にはこの2曲も収録されていますが、その反面、第64曲がカットされています。
(キングインターナショナル)

【曲目】
バッハ:マタイ受難曲 BWV 244

【演奏】
アントン・デルモータ(テノール:福音史家)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン:イエス)
エリーザベト・グリュンマー(ソプラノ:女中I、ピラトの妻)
マルガ・ヘフゲン(アルト:女中II)
オットー・エーデルマン(バス:ユダ、ペトロ、ピラト)

ウィーン・ジングアカデミー合唱団
ウィーン少年合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
アントン・ハイラー(チェンバロ)
フランツ・シュッツ(オルガン)
ウィリ・ボスコフスキー(ヴァイオリン)
エマニュエル・ブラベック(チェロ)
ハンス・レズニチェク(フルート)
ハンス・カメシュ(オーボエ)

【録音】
1954年4月14~17日
ウィーン、コンツェルトハウス大ホール(ライヴ)

音源提供:DISCOS, Milano

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2021年02月03日 00:00