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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.243

ビル・パーキンス、リッチー・カミューカ『テナーズ・ヘッド・オン』(1957)

BPRC

ビル・パーキンス、リッチー・カミューカ(ts)
ピート・ジョリー(p)
レッド・ミッチェル(b)
スタン・リーヴィー(ds)

1956年7月、ロサンゼルスにて録音

曲目(オリジナルLP発売時):
01.コットン・テイル
02.アイ・ウォント・ア・リトル・ガール
03.ブルース・フォー・トゥー
04.インディアン・サマー
05.ドント・ビー・ザット・ウェイ
06.オー!ルック・アット・ミー・ナウ
07.スペイン
08.ピック・ア・ディリー

【アルバム紹介】
1.ウェスト・コースト・ジャズのテナー・サックス二人による競演盤
2.レスター・ヤングの影響を受けたクール・ジャズ・スタイル
3.メンバーもウェスト・コースト・ジャズ・シーンの名手ぞろい

今回からテナー・サックス奏者が活躍する隠れ名盤をご紹介してゆきます。
まず最初はウェスト・コースト・ジャズ・シーンで名を馳せたビル・パーキンスとリッチー・カミューカによる2テナー競演盤です。

ビル・パーキンスはカリフォルニア生まれ、リッチー・カミューカはフィラデルフィア生まれと違いはありますがどちらもウェスト・コーストを拠点に活動し、レスター・ヤングの影響を受けたクール・ジャズ・スタイルという点では共通項がありました。それゆえ、本作のように二人が並んでテナー・サックスを演奏するとどちらがどちらか、わかりづらいところがあります。

楽曲はデューク・エリントンの“コットン・テイル”、ベニー・グッドマンの“ドント・ビー・ザット・ウェイ”といったナンバーを取り上げ、リズム・セクションには、ピアノにピート・ジョリー、ベースにレッド・ミッチェル、ドラムスにスタン・リーヴィーといったウェスト・コースト・ジャズの名手が顔をそろえています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ライトで軽快なスイング・ナンバー“コットン・テイル”。

1940年にデューク・エリントンが作曲したこのナンバーは数々のジャズ・ミュージシャンに取り上げられている人気曲で、ヴォーカルによるカヴァーも存在します。ここではライトで軽快なスイング・ビートで魅了する演奏になっています。
まず勢いよくドラムスによるイントロのあと、テナー・サックスのユニゾンでテーマ・メロディーが提示されます。続いてピアノのソロが始まり、ひと段落したところでテナー・サックスのソロになりますが、最初はリッチー・カミューカによるものです。流麗なソロがきまると、ベース・ソロになり、ここからはビル・パーキンスのソロへと移ってゆきます。ソロが落ち着くと、今度は二人がドラムスのソロを挟みつつ交互にソロの掛け合いになります。やがて、テーマへと回帰しエンディングとなります。
テナー・サックスが二人というだけあって、一応は“バトルもの”に入るアルバムですが、バトルというにはあまりにクールなプレイ・スタイルゆえ、終始爽やかさが光る演奏です。そんなところがウェスト・コースト・ジャズらしいところであり、この系統がお好きな方には終始楽しめる一枚です。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年09月01日 10:00