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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.255

ジョージ・シアリング『ジャズ・モーメンツ』(1962)

GS

ジョージ・シアリング(p)
イスラエル・クロスビー(b)
ヴァーネル・フォーニエ(ds)

1962年6月20日、21日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.メイキン・フーピー
02.恋とは何でしょう
03.ホワッツ・ニュー
04.ライク・サムワン・イン・ラヴ
05.ハート・オブ・ウィンター
06.9/4拍子のブルース
07.シンフォニー
08.ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー
09.ワンダー・ホワイ
10.ザ・ムード・イズ・メロウ
11.風と共に去りぬ
12.イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー

【アルバム紹介】
1.盲目の名ピアニスト、ジョージ・シアリング、1962年キャピトル・レコードでの傑作
2.名曲“バードランドの子守唄”の作曲者
3.ベースのイスラエル・クロスビーは本作がラスト・レコーディング

今回ご紹介するピアノ・トリオ名盤は盲目の名ピアニスト、ジョージ・シアリングが1962年にキャピトル・レコードからリリースした傑作です。

1919年に英国に生まれたジョージ・シアリングは生まれなから盲目で、3歳からピアノを始めました。ブラインドであったがゆえに音には非常に敏感な感覚を持っていたと思われ、シアリングの奏でるピアノのサウンドやヴィブラフォンやギターが入った編成での上品で美しいアンサンブルはその演奏を特徴づけました。作曲家としても“バードランドの子守唄”などのスタンダードの名曲を世に送り出したことで知られています。

本作は1950年代から数々のリーダー作を吹き込んだキャピトル・レコードでのピアノ・トリオ編成のアルバムでリラックス・ムードさえ感じさせる内容です。ベースにはイスラエル・クロスビー、ドラムスにはヴァーネル・フォーニエという顔ぶれになっています。ちなみにイスラエル・クロスビーは本作のレコーディングの半年後、心臓発作でこの世を去っています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
スインギーなマイナー・チューン“恋とは何でしょう”。

ジョージ・シアリングのピアノは他に類がないほど、美しいタッチが大きな特徴ですが、そのクールさ、ソフトさゆえ、イージー・リスニング風な印象を持つことも多いでしょう。
本作はスタンダード・ナンバーをメインにした選曲になっており、どの曲も解釈が素晴らしいものがありますが、その中のスインギーな1曲“恋とは何でしょう”を聴いてみましょう。
ベースのイスラエル・クロスビーがアーマッド・ジャマル・トリオのメンバーだったこともあるせいか、ジャマルの時代の演奏を彷彿とさせるリズム・アレンジ、そして「ソングブック」シリーズでのオスカー・ピーターソンをシンプルにしたようなシアリングのピアノが引き立っています。
本作は他の曲では、“ホワッツ・ニュー”、“ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー”などの名スタンダードを2分台の演奏ですっきりと聴かせる名演も味わえます。
ジョージ・シアリングは2011年2月に91歳で亡くなるまで生涯現役を貫きました。アルバムはキャピトル以外にもMPS、コンコード、テラークといったレーベルからも出ています。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年12月01日 10:00