昆真由美 書籍 『演歌作詞入門 時代に学ぶポイントとコツ』 1月15日発売
現代の視点から演歌をとらえた、新しい作詞入門書。時代背景や演歌の歌詞の特徴を掘り下げ、演歌ならではの作詞方法を網羅した一冊。
演歌の歌詞が書けるようになる、実践的な作詞入門書。演歌が流行した時代と背景、ジャンルの立ち位置などを踏まえ、歴史を紐解きながら、演歌の歌詞の特徴を学ぶ。ポップスを中心に作詞をする現役の作詞家・作詞講師である著者が、ポップスとの違いを交えつつ、演歌特有の作詞方法を解説。現代の視点から新たな切り口で作詞術を展開する。「プロット作成」や「推敲」、効果的な「表現技法」など、演歌の作詞に欠かせないポイントのほか、演歌の3つの要素「艶歌」「縁歌」「俺歌」と、3つのタイプ「遠歌」「炎歌」「怨歌」を軸にした、著者ならではの作詞へのアプローチも紹介。演歌の歴史を学びながら演歌の作詞術が身につく一冊。
はじめに
序章:演歌の作詞の心構え
・歌詞とは何か
・歌は時代や場所をこえる
・歌には必ず伝えたいことがある
・演歌の構成要素
・大衆歌の定義
・「日本調」と「洋楽調」
第1章:演歌の成り立ちを知る
・日本の音楽ジャンルの歴史 明治・大正時代
ヨナ抜き音階の登場
「歌謡曲」は海外から流入した歌を指していた
・日本の音楽ジャンルの歴史 昭和初期~昭和10年代
レコード会社を中心とした流行歌、洋楽系歌手の登場
日本調の歌のほとんどが「お座敷唄」に
股旅ものの登場
日本における「ブルース」の登場
・日本の音楽ジャンルの歴史 昭和20年代~30年代
田舎調(望郷歌)の流行
都会調(初期ムード歌謡)の流行
浪曲調の歌い方の登場
フォーク・ソングの流行
・日本の音楽ジャンルの歴史 昭和40年代~50年代
グループサウンズ(GS)ブーム、シンガーソングライター(SSW)の登場
音楽ジャンルの多様化と、そのひとつとしての「演歌」
『柳ヶ瀬ブルース』のヒット 「ご当地ソング」の登場
・日本の音楽ジャンルの歴史 昭和60年代~平成以降
「J-POP」の登場と、演歌の脱大衆化
演歌は日本だけのものではない
第2章:演歌の歴史まとめ
・第一次、第二次、第三次、第四次演歌のまとめ
・歌のカテゴリーにおける演歌の位置づけ
・演歌のイメージのルーツ
・演歌とは 「昭和期に日本で流行した浪曲風に歌う哀愁的な歌」
第3章:演歌の形式的な特徴を知る
・演歌のメロディーの特徴
演歌のメロディーの特徴(1) ヨナ抜き音階
演歌のメロディーの特徴(2) 3連符
演歌のメロディーの特徴(3) ゆったりとしたテンポ
・演歌の歌い方の特徴
演歌の歌い方の特徴(1) こぶし
演歌の歌い方の特徴(2) ビブラート
・演歌の歌詞の特徴
演歌の歌詞の特徴(1) 詞先
演歌の歌詞の特徴(2) 五七五のリズム
演歌の歌詞の特徴(3) 3番以上の構成
メロディー、歌い方、歌詞は相互に影響する
第4章:演歌の歌詞の内容的な特徴を知る
演歌は「演じる歌」 歌手は歌詞の物語の演じ手
物語を伝えるためのさまざまな工夫がされることも
演歌の歌詞は歌い手とリンクするとは限らない
ポップスは気持ちに、演歌はキャラクターと背景に焦点を当てる
海、雨、酒、北国…演歌っぽいアイテムは「気持ち」の間接的な表現
演歌が描くのは昭和期まで。現代の風景は登場しない
ポップスのテーマは日常における「気持ち」、演歌のテーマは「人生」
演歌にダンスは不要。パフォーマンスは声が担う
男女の性差が色濃く描かれる
第5章:演歌のプロットを理解する
・演歌のプロットを作ろう
プロットとは
一般的なプロット
演歌の歌詞のプロット
ポップスの歌詞のプロット
・誰(Who)=歌詞の主人公(キャラクター)を決める
・いつ(When)、どこ(Where)、なぜ(Why)=歌詞のセットを決める
いつ(When)
どこ(Where)
なぜ(Why)
歌詞のセット〔いつ(When)、どこ(Where)、なぜ(Why)〕の注意点
・何(What)=歌詞のテーマを決める
テーマはタイトルとリンクする
演歌の歌詞のテーマ3要素(艶歌、縁歌、俺歌)
・どのように(How)=歌詞の形式を決める
縦書きで原稿400文字以内が目安
1番の歌詞の目安は5行から6行、目安は原稿用紙1枚以内
第6章:演歌の歌詞を実際に書いてみる
タイトルを決める
演歌のタイトルのポイント(1) 関係性を入れる
演歌のタイトルのポイント(2) セリフをタイトルにする
演歌のタイトルのポイント(3) 性別を入れる
演歌のタイトルのポイント(4) 地域名を入れる
演歌のタイトルのポイント(5) 花鳥風月+酒
1番を書く
1番の歌詞を分解して考える
冒頭2行(Aブロック)で世界観をわからせるように書く
字脚をそろえる
文節の区切りをそろえる
2番以降を書く
第7章:演歌の歌詞を推敲する
・演歌の歌詞の推敲ポイント その1 短い言葉で伝える
短い言葉で伝える工夫(1) 主語を削る
短い言葉で伝える工夫(2) 同じ意味を持つ別の言葉に置き換える
・演歌の歌詞の推敲ポイント その2 説明っぽさをなくす
説明っぽさをなくす(1) セリフ(会話風の表現)で始めてみる
説明っぽさをなくす(2) 体言止めを活用する
説明っぽさをなくす(3) 書かずして表現する
・演歌の歌詞の推敲ポイント その3 歌いやすさにこだわる
歌いやすさにこだわる(1) 声に出して読んでみる
歌いやすさにこだわる(2) 響きの美しくない言葉を変える
歌いやすさにこだわる(3) 言葉のリズムを変える(倒置法、繰り返し)
歌いやすさにこだわる(4) 難しい言葉を言い換える
・演歌の歌詞の推敲チェックシート
第8章:その他の表現技法
・演歌における表現方法
表現技法(1) 比喩表現
表現技法(2) オノマトペ
表現技法(3) 五感
表現技法(4) 掛詞
表現技法(5) 韻を踏む(押韻)
表現方法(6) セリフ(語り)
あとがき
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掲載: 2025年01月08日 14:00