“不適切な青春”を描き「松本清張賞」を満場一致で受賞!話題の映画『万事快調<オール・グリーンズ>』とは?

2026年1月16日から公開される映画『万事快調<オール・グリーンズ>』。原作は「第28回松本清張賞」を審査員満場一致で受賞した同名小説で、作者の波木銅が作品発表時に弱冠21歳の大学生だったことも話題になった。いったいどのような作品なのか、気になるあらすじや映画のキャストについて紹介していこう。
●注目の若手俳優が彩る“不適切な青春”
主人公は、ラッパーを夢見る女子高生・朴秀美だ。未来が見えない町で、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る秀美は、家庭の問題を抱える矢口美流紅や毒舌キャラの岩隈真子らとともに同好会「オール・グリーンズ」を結成。それぞれの夢を叶えるため、“禁断の課外活動”に手を染めて一攫千金を狙う。
映画化に際して集結したのは、人気の若手女優たち。秀美役には、大河ドラマ『光る君へ』や、映画『愛されなくても別に』などへの出演で注目を集める南沙良が抜擢された。南は自身が演じる秀美とその仲間たちについて、「鬱屈した世界を踏み潰して進もうとする彼女たちは、無軌道で危なっかしくて、どうしようもなく愛おしく感じました」とコメント。さらに、「この作品が『どこへも行けない』と感じてしまう私たちに確かな力を与えてくれるものになっていると信じています」という期待も語っている。
もう1人の主人公である美流紅役を演じるのは、若者から絶大な人気を誇るモデル・俳優の出口夏希。また、劇場アニメ『ルックバック』で声優としてW主演を務め話題となった俳優の吉田美月喜が岩隈真子役を担当し、ほかにも羽村仁成や黒崎煌代といったフレッシュなキャストが名を連ねている点も見逃せない。
原作小説は、北関東にある“クソ田舎”の工業高校を舞台にしており、ユーモラスでオフビートな文体が特徴。閉塞感にあえぐ主人公たちが強引に未来を切り開こうとする姿は、不適切ながら爽快さも感じられる。少女たちが“禁断の課外活動”のなかで始めたビジネスがどのような事態を招くのか、映画・小説ともども見届けてほしい。
●波木銅 著書
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掲載: 2025年12月15日 10:00

