いま巷に流れる〈日本のフュージョンがアツい!!〉という噂を検証してみるよ!!
再評価されるJフュージョンとその魅力とは?
みなさん、〈日本のフュージョン〉と聞いて正直ダサイ!というイメージを持っていませんか? 実を言うと僕もフュージョン=バカテク、オヤジ、イケてない……とそんなイメージを持っておりました(ごめんなさい!)。でも、なにやらJフュージョンの黄金時代ともいうべき70年代後半~80年代前半のお宝盤が現在続々と復刻されているようで、再評価の気運が高まってきているよう。ということで、まずはJフュージョンを巡るあれこれを対談で探ってみましょう。
対談:大石 始×松沢康晴(タワーレコード渋谷店)
大石「……とはいえフュージョンというと、どうもチープ・ゴージャスといいますか、クリスタルなイメージが……」
松沢「それはありますね。でも、いまフュージョンの作品を手に取っている方々ってリアルタイムで聴いていた30~40代の方々だけじゃなく、雑誌で取り上げられているのを読んでCDを手に取ってるギター少年もいるんです。いま再評価されているフュージョンも〈いわゆるフュージョン〉とはちょっと違いますしね」
大石「そうそう、聴いてみて〈これもフュージョンって呼ぶの?〉って思った。YMOだって初期はフュージョンとの関わりが深かったんですよね?」
松沢「ええ。初期には渡辺香津美や大村憲司も参加してたし、デビュー前の78年には〈フュージョン・フェスティバル〉なるイヴェントにカシオペアや大村憲司と共に出演してた。当時の彼らはフュージョン・グループとして認知されていたんですよ」
大石「へぇ~。いまから考えると意外ですね」
松沢「あと、寺尾聰のバックをPARACHUTEがやってたりと、歌謡曲のバックをフュージョンのミュージシャンが務めていたことも特徴ですね。なかでも山下達郎のバックは凄いですよ。77年の『SPACY』はもちろん、78年の『IT'S A POPPIN' TIME』なんて村上“PONTA”秀一や坂本龍一が入ったフュージョン・アルバムですからね」
大石「へぇ~(2回目)。みんな知らず知らずのうちにフュージョンを聴いていたかもしれないということですね」
松沢「でもね、そもそも〈フュージョン〉って呼び方自体がどうなのか、ってのはありますよね。もう固定されたイメージが付いちゃってるし、〈クロスオーヴァー〉って呼んだほうがいいんじゃないかな」
大石「なるほど。じゃあ〈日本のクロスオーヴァー〉をもう少し詳しく覗いてみることにしましょう!!」
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