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JACK WHITE

連載
NEW OPUSコラム
公開
2010/06/21   20:07
更新
2010/06/21   20:11
ソース
bounce 321号 (2010年5月25日発行)
テキスト
文/新谷洋子

 

デッド・ウェザーとカレン・エルソンの作品が連発……この男、女となら燃えるのか?

 

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ロック界でもっとも多作な男とはいえ、3つめのバンドにしてデビュー作から10か月目に新作を完成させるとは流石に驚く人も多いはず。そう、ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト率いるデッド・ウェザーの2作目『Sea Of Cowards』のことである。粗削りなモダン・ブルース路線は変わらないものの、曲が生まれた瞬間の刹那的なエネルギーを2~3分のコンパクトな尺に封じ込めており、十分に粗削りだった前作が大人しく思えるほど、その仕上がりはアグレッシヴ。かつツアーで培ったケミストリーを活かして空間をダイナミックに使っているのも特徴で、お互いのスペースを尊重しながらメンバーはより自由に動いており、ジャックがドラムスを優先する一方、妖艶なのに湿っぽくないアリソン・モスの存在感が増している。

そんなジャック、実はプロデュース&ドラムスを担当する作品がもう1枚お目見え。最近はパフォーマンス活動を優先していた英国人のスーパーモデル妻=カレン・エルソンのファースト・アルバム『The Ghost Who Walks』だ。彼らしくナマっぽい音色でまとめられた本作で、カレンはフォークからキャバレーまで多様なスタイルを引用し、古風なストーリーテリングを駆使。PJハーヴェイを想起させたりする、ヨーロピアンな感性で貫かれたシアトリカルな世界を提示している。ロレッタ・リンにアリソンにカレン……と、ジャックと女性のコラボは成功続きだが(次はワンダ・ジャクソンとの共作が!)、相性が良いのか、それともジャックが巧く使われている?

 

▼JACK WHITEの近作を紹介。

左から、デッド・ウェザーのニュー・アルバム『Sea Of Cowards』(Warner Bros./ワーナー)、カレン・エルソンのファースト・アルバム『The Ghost Who Walks』(XL/HOSTESS)、ホワイト・ストライプスの2010年のDVD「Under Great White Northern Lights」(Warner Bros.)

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