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9TH WONDER

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/03/11   13:47
更新
2011/03/11   13:47
ソース
bounce 329号 (2011年2月25日発行)
テキスト
文/高橋芳朗

 

デヴィッド・バナーと共闘! そして……

 

 

いま、アンダーグラウンド・シーンではプロデューサーとラッパーのタッグ・アルバムがちょっとしたトレンドになっているが、こうしたムーヴメントに先鞭をつけたのが9thワンダーであることは、ここで改めて強調するまでもないだろう。そんな彼の最新コラボ作『Death Of A Pop Star』のお相手は、なんとデヴィッド・バナー。これがマイケル・ジャクソンの死にインスパイアされたという問題意識の高い内容で、ウィスパーズ“On Impact”の技アリな引用が心憎い“Slow Down”など、いつもより煌びやかな9thのプロダクションがバナーの豪傑ぶりをぐっと際立たせている。エリカ・バドゥやアンソニー・ハミルトンとのコラボのほか、ウォーリン・キャンベルの好サポートにも注目してほしいところだ。

なお、9thは同タイミングで自身が主宰するイッツ・ア・ワンダフル・ワールド・ミュージック・グループのショウケース・アルバム『9th's Opus: It's A Wonderful World Music Group Vol.1』もリリース。スカイズーやアウェイ・チームといったジャスタス・リーグ組からミックステープ『Vicotoria's Secret』での可憐な振る舞いが評判だったフィメール・シンガーのヘザー・ヴィクトリアまで、こちらもノースキャロライナ・シーンの熱気をダイレクトに伝える好盤に仕上がっている。

 

▼関連盤を紹介。

9thワンダーが送り出したビッグ・リモの2010年作『Entrapment』(It's A Wonderful World)、デヴィッド・バナーの2008年作『The Greatest Story Ever Told』(SRC/Universal)