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AIR JAM 2011 @ 横浜スタジアム 2011年9月18日(日)

AIR JAM 2011 @ 横浜スタジアム 2011年9月18日(日)――(2)

連載
ライヴ&イベントレポ
公開
2011/09/29   22:00
更新
2011/09/29   22:00
テキスト
対談/荒金良介、加藤直子 構成/加藤直子


海外勢のハチャメチャぶり



写真7_マーフィーズ
Photo by WATARU UMEDA ©AIR JAM 2011


写真8_ギミギミズ
Photo by WATARU UMEDA ©AIR JAM 2011



荒金「今回は海外勢も非常に注目してて、マーフィーズ・ロウとミー・ファースト・アンド・ザ・ギミ・ギミズのエンターテイメント精神はやっぱりすごかった! マーフィーズ・ロウのヴォーカルはずっと観客のところでパフォーマンスして、あやまんJAPANのあのコールも披露したりとか(笑)。ああいうファンな気質を忘れないところがいいですよね」

加藤「〈ビール! ビール!〉って呑んだり呑ませたりぶちまけたり(笑)」

荒金「ギミギミズは〈絶対合格〉ハチマキでしたね(笑)」

加藤「〈誰が教えたの!?〉っていう日本の懐メロもカヴァーしていて。甲斐バンドの“HERO”とか、ザ・タイガースの“シー・シー・シー”とか(笑)」

荒金「アリーナの盛り上がりようも凄まじかったです。ホントに日本人に愛されているバンドだなーと、痛感しました」

加藤「あと、〈AIR JAM観てた世代〉の若手も良いメンツが揃ってましたね」


〈AIR JAM〉を観ていた世代もステージに



写真9_10FEET
Photo by 【H.and.A】 ©AIR JAM 2011


写真10_FACT
Photo by YUJI HONDA ©AIR JAM 2011


写真11_ホルモン
Photo by 【H.and.A】 ©AIR JAM 2011



荒金「10-FEETにFACT、マキシマム ザ ホルモンはMCでコメントしてたりもしてましたけど、憧れの〈AIR JAM〉のステージに立っていることの嬉しさとか昂揚感が素直に出たステージングで、観ているこちらも気持ち良かったですね」

加藤「ホントホント。FACTではダイヴしてる人の数もハンパなかったし、やっぱりいま勢いのあるバンドらしいフレッシュさがありましたね。ところでホルモンは嬉しすぎて“A・RA・SHI”演っちゃったんでしょうか(笑)」

荒金「嵐のカヴァーはライヴでもそんなに演ってないので、レアですよ(笑)。それをこの舞台の最後に持ってくるなんてニクイですよね」

加藤「泣けるほどハイスタへのリスペクトを話した挙句〈チキソーソー〉ですからね。そんな彼らの美学に感動すら覚えました(苦笑)」



〈AIR JAM〉開催に向けてのキーパーソン



写真12_BRAHMAN
Photo by Tsukasa Miyoshi ©AIR JAM 2011



荒金「で、やはりハイスタ前のBRAHMANで涙腺を緩ませた人は多いんじゃないでしょうか」

加藤「今回出演した、過去の〈AIR JAM〉に出ていた面々のなかで唯一ずっと続いているバンドですからね。冒頭のMCの、〈この日をいちばん楽しみにしていたバンド、BRAHMAN、始めます〉っていうTOSHI-LOWさんの言葉にはすごく重みがありました」

荒金「ハイスタの面々に〈AIR JAMやらないのか?〉って何度も働きかけたと言っていましたけど、TOSHI-LOWさんがいなければ〈AIR JAM 2011〉も、ハイスタの復活もなかったかもしれない。そういう意味ではキーパーソンですよね。最新シングル曲の“霹靂”もやってくれて、あの曲はライヴで聴くとさらにエモーショナルで、感動しました」

加藤「そうですね、とてもあのステージに相応しい曲だったと思います。短い時間で、曲数も決して多くなかったですけど、初期の“ANSWER FOR…”などから“霹靂”まで、この11年間もBRAHMANとしてキャリアを積んできた彼らの年輪を感じさせるセットリストだった気がしました。それにしても、BRAHMANだけ過去の〈AIR JAM〉映像が流れたのは何だったんでしょうか(笑)。まあいいです。では最後に、Hi-Standardについていきましょうか」



ポジティヴな拳



写真_ハイスタ
Photo by TEPPEI ©AIR JAM 2011



荒金「メンバーが登場する前に、スタンドで自然発生的にウェイヴが起きたじゃないですか? 何度も。あれにはグッときましたね。本当にハイスタを待っているんだなと思って。1曲目“STAY GOLD”が始まった瞬間のアリーナは、カオスどころじゃなく、もう爆発するようにみんな騒いで、僕も身の危険を感じました(笑)。あの瞬間は忘れられないですね」

加藤「なんだかもう、なんとも言えない気持ちでしたね~。“STAY GOLD”では感極まっちゃって、相当ブッサイクな顔で観てたと思います(笑)。いまにして思えば、難波さんのファイヤー・レッドの髪色って2000年の〈AIR JAM〉の時と同じだったんですね」

荒金「あぁ、そうか。“SUMMER OF LOVE”の前フリで〈恋してますか?〉って言うのとかも難波さんらしい味があって、久々に聞いてアガりました」

加藤「変わらないねー!っていうのがいっぱいありましたよね」

荒金「個人的には“Teenagers Are All Asshole”からの“Fighting Fists, Angry Soul”っていう流れがツボでした。特に〈Fighting~〉では観客総出で拳を突き上げて、本当にスタジアムがひとつになっている感覚に包まれたところに鳥肌が立ちましたね」

加藤「私も〈Fighting~〉がハイライトだったと思います。言葉にするとすっごく恥ずかしいですけど、単なる怒りをモチヴェーションに突き上げる拳ではなくて、いま聴くからこそみんなが共有できる、すごくポジティヴな感情を持った拳だったなと」



来年に向けての良いヴァイブ



写真13_雑感
Photo by Terumi Fukano ©AIR JAM 2011



荒金「ハイスタの復活、〈AIR JAM 2011〉の開催は、本当に〈3.11〉の震災がなければ永久に実現しなかったかもしれない。健さんが〈俺たち3人は日本のために集まったんだよ〉ってMCで言ってましたけど、それが今回の〈AIR JAM〉のすべてだったんですよね」

加藤「〈俺たちHi-Standardっていうバンドなんだけどー〉とか言っちゃって、うれしはずかし……って感じに見えた健さんの表情が印象的で(笑)。あと“Waiting For The Sun”でなぜかファット・マイクが飛び入り……」

荒金「(無視して力説)改めて、ハイスタが持つ人を惹き付けるパワーはとんでもないなと思いました。過去にハイスタを観たことがあるとか、今回初めて観たという違いはどこかに吹き飛んでしまうくらい、今回のハイスタは本当に凄まじい光を放っていたなと。あれだけのエネルギーをもらったら、自分も何かできることからしようとか、明日からがんばろう、という気持ちにすべての人がなるんじゃないですかね~……(しみじみ)」

加藤「しみじみと熱いですね。アンコールは“Starry Night”“Brand New Sunset”とロマンティックなナンバーで揃えていたのも素敵でした! 結局SEでしたけど、最後の“Mosh Under The Rainbow”ではアリーナにすごい大きなモッシュができてましたよ! もしかして荒金さんそのなかにいました?」

荒金「その輪のなかには入ってません(笑)」

加藤「な~んだ。とにかく、来年には東北での〈AIR JAM〉開催も計画されているみたいなので、それに向けてまずは今回良いヴァイブが出ていたんじゃないでしょうか。ぜひ早く実現するといいですね!」

荒金「ハイスタの3人がステージに立つこと自体が奇跡だったわけで、その奇跡が生み出したパワーは東北に何かしらの形で活力になるはずですよね。墓場まで持っていきたいほど、忘れられないライヴになりました!」

加藤「最後まで大絶賛ですね(笑)。でも本当に感動的な1日でした!」