2005年にスタートしたPOPGROUP主催のイヴェント〈KAIKOO〉に端を発し、2010年4月の東京・晴海で行われた初開催時には2日間で延べ1万人以上を集めてヘッズを熱狂させた音楽フェス〈KAIKOO POPWAVE FESTIVAL〉。昨年は当初春に行われる予定だったが東日本大震災の影響により延期となり、11月に渋谷のライヴハウス10会場を使って街ごとジャックする勢いで実施されたが、今年はふたたび舞台を海のそば、お台場にある船の科学館の野外特設ステージへと移し、4月21日と22日の2日間に渡って開催される。DJ BAKUをはじめとするレーベルのアーティストはもちろん、GOTH-TRADやSOIL&“PIMP”SESSION、BOOM BOOM SATELLITESといった国内外で支持を集める面々、envyやtoeなどみずからレーベルを運営して活動するインディペンデントなアクト、さらに海外からノー・エイジやQ・バート、ルーク・ヴァイバート、ドーズワンとアクの強い連中も呼び寄せ、ジャンルの垣根を越えたPOPGROUPのスタンスに通じる、尖ったラインナップの競演が実現することに。
また、そんなフェスの予習にも最適なのが、今回の〈KAIKOO〉に出演する面々が多く参加し、新曲及び未発表曲を提供した新コンピ『KAIKOO PLANET II』。注目はDJ BAKU×ラッパーによる久々のコラボ曲で、凄まじい情報量で畳み掛ける志人のラップとakira kawasaki（mouse on the keys）による爆発的ドラミングがアヴァンギャルドに交差する“原始的占星航海術～小乗～”、そしてキレと重さを備えたビート上をB.I.G. JOEとK-BOMBが暴れまくる“Butterfly Knife”の2曲を聴くことができる。他にも、THINK TANKのBABAとWRENCHのMUROCHINによる新ユニット＝DOOOMBOYSの激ドープなストーナー・ダブ・ヒップホップ（?）や、先頃リリースされたYOLZ IN THE SKYの新作に収められている“Fast Car Drive”のスーサイドな別ヴァージョン、KMCがMC5の名曲を引用しながら偽者野郎どもに唾を吐く“Kick Out The Jams”など、〈KAIKOO〉の理念に共鳴する人ならば必携の一枚と言えそう。さあ、新しい音楽に〈邂逅〉しよう!
KAIKOO POPWAVE FESTIVAL '12
日程：4月21日（土）、4月22日（日）
会場：東京・船の科学館 野外特設ステージ
出演：【4月21日】envy／DJ KENTARO／ルーク・ヴァイバート／トクマルシューゴ／KING BROTHERS／あらかじめ決められた恋人たちへ／Q・バート／S.L.A.C.K.＋PUNPEE＋GAPPER／SIMI LAB 他
【4月22日】BOOM BOOM SATELLITES／ノー・エイジ／在日ファンク／DJ BAKU／GOTH-TRAD／般若／サイプレス上野とロベルト吉野と……／WUJA BIN BIN／奇妙礼太郎トラベルスイング楽団／Calm Moonage Electric Quartet／YOUR SONG IS GOOD 他
オフィシャル・サイト：kaikoo.pop-group.net
▼文中に登場したアーティストの作品を一部紹介。
左から、GOTH-TRADの2012年作『NEW EPOCH』（Deep Medi）、ノー・エイジの2010年作『Everything In Between』（Sub Pop）、志人のニュー・アルバム『Zymolytic Human〜発酵人間〜』（Granma）、moues on the keysの2009年作『an anxious object』（Machu Picchu）、B.I.G. JOEの2010年作『RIZE AGAIN』（TRIUMPH）、YOLZ IN THE SKYのニュー・アルバム『DESINTEGRATION』（felicity）
▼KAIKOO関連の作品を紹介。
左から、2005年のドキュメンタリーDVD「KAIKOO／邂逅」、2008年の〈KAIKOO〉の模様を収めたDVD「KAIKOO meets REVOLUTION」、2005年のコンピ『KAIKOO PLANET』、2011年のDJ BAKUのミックスCD『KAIKOO "Human Being" Mixed by DJ BAKU』（すべてPOPGROUP）
