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【第11回】――ドナ・サマー

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2012/07/18   00:00
更新
2012/07/18   00:00
ソース
bounce345号 (2012年6月25発行号)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】 DONNA SUMMER 『Donna Summer Gold』 Mercury

最近よくディスコものを聴いていていて、ドナ・サマーが亡くなったったことをニュースで知った時に、自分のタイムライン感と合ったんですよね。追悼の意を込めて……って文字にすると少し堅いですが、この連載でディスコを紹介してなかったので、今回はその入口として最高のディスコ・クイーン、ドナ・サマーを紹介します。

70年代に一世を風靡したシンガーですが、僕が初めてその存在を知ったのは、レッチリのジョン・フルシアンテがライヴで“I Feel Love”のカヴァーを演ってて、誰の曲なんだろう?……というのがきっかけ。レッチリのカヴァーで知ったアーティストって結構多いんですが、これもそのひとつですね。それまでも“Hot Stuff”とか超有名曲は知ってましたけど、名前とリンクしなかった。ディスコ・ヒットってそういう〈一発屋〉的なのが多い気がするんですよね。昔、車のなかでよくディスコのコンピがかかってたりして、曲はどれも知ってるのに演ってる人は知らない……みたいなのが多い。ダン・ハートマンとかワイルド・チェリーとか、アーティスト名を言われてもピンとこないですよね(笑)。でもディスコ文化ってそういうものなのかもしれないですね、時代を象徴しているというか。ドナ・サマーはそのなかでもヒット曲が多い人ですが、正直、この盤!というのはないものの、とにかく曲に恵まれていた印象があります。

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CDを持ってないとこうなります。

ディスコ・ミュージックがちょうどエレクトロニクスを採り入れてピコピコしはじめたくらいの頃で、YouTubeの映像なんかを観ると基本バンド・セット。“Hot Stuff”にはすごく長いギター・ソロがあるんですけど、そんなのは特にレアだと思います。もうひとつ、ドナ・サマーに限らずですが、ディスコといえばチョッパー(ベース用語で現在は〈スラップ〉とも言う)ですね。シェリル・リン“Got To Be Real”に象徴的な王道のベースラインがあって、ディスコは基本そのワングルーヴで展開するものが多いです。最近それをまた勉強し直していて。トロ・イ・モワなんかはまさにそのベースラインで、それには衝撃を受けました。

とにかくディスコ・ソングの魅力は、どれだけテンションが低くても聴けば確実にテンションが上がる。“Hot Stuff”みたいに簡単なイントロでアゲられる曲なんて、滅多にないですよ! 〈ジャガジャーン〉と〈ドッドッドッ〉だけですからね。ミュージシャンがみんな悩むイントロを、あんな簡単に(笑)。これは歌の上手い女の子をヴォーカルにしたバンドを組んで、学祭とかで演るといいんじゃないでしょうか(笑)?



PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。いよいよ7月18日にニュー・シングル『マジメになったら涙が出るぜ/青い天国』(ARIOLA JAPAN)がリリース! 6月27日には東京でワンマン・ライヴを開催! 詳しくは〈www.okamotos.net〉へGo!