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bomiの気だるい気配(第3回)

連載
皿えもん
公開
2012/09/10   18:20
更新
2012/09/10   18:20
テキスト
文/bomi


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! メインストリームからちょっぴり脇道を行く、退廃的な時代のムードを纏った歴代のキッチュな斜ガールの作品をbomiがご紹介!



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YEAH YEAH YEAHS 『It’s Blitz』 Polydor



久しぶりに少しまとまった休みが取れたので、タイにいる。

タイのイメージ=カオサン=バックパッカーだったのだけれど、少し足を踏み入れてみると、まるで違う一面があることにびっくりする。

電車の車両一面にプリントされているのは、日本でも有名な「ONE PIECE」の主人公、ルフィ。電車に乗れば、〈OISHI〉〈TOSHIBA〉〈SUZUKI〉などさまざまな広告(日本と同じく、TV画面による〈動く広告〉もある)があり、車窓からは高層ビルディングが屹立した街並みが見える。どうやらここ数年の間に、タイは目まぐるしい発展を遂げているらしい。

到着して2日目の夜、この間東京で対バンして仲良くなったタイの3ピース・バンド、イエロー・ファン(今年のサマソニにも出ている)のメンバーが、エカマイにあるタイのクラブへ案内してくれた。

そこには、日本のクラブではあり得ないくらいたくさんの人で溢れている。タイの音楽家の主な活動場所は、どうやらクラブらしい。DJもさることながら、バンドがライヴをしたり、最先端カルチャーの発信地になっている印象を受けた。

DJの選曲する曲は、主に欧米の音楽で、どちらかというと〈どうだ、これいいだろう~?〉というものよりも、みんなが知っていて、みんなが歌えるメジャー寄りの選曲。そんななかで聴こえてきたのが、ヤー・ヤー・ヤーズの“Heads Will Roll”だった。インディー・ロックも確実にその裾野を広げているんだなあと、しばし感心。

そうそう、この曲、一人でやるせない気持ちを抱えているときとか、どうしようもなく吠えたい夜とか、瓶ビール片手に踊り狂いたい、そんな夜に聴くのにすごく合ってるなあ、なんて思って。

ヴォーカルのカレン・Oは、映画「かいじゅうたちのいるところ」のサントラなんかではアコースティックなサウンド作りの一面を見せたりと、多彩な才能を持つ。でも、やはりグッとくるのは叫ぶような声色で歌うカレン。佇まいから何から、女性ヴォーカルのカッコイイところを全部集めて出来てる、みたいな人だ。

というわけで、今回の一枚はヤー・ヤー・ヤーズ『It’s Blitz』で、いこうかなと。

シンファ・ビール片手に、メールを出します。



PROFILE/bomi



87年生まれ、韓国人を両親に持つ、NY出身/大阪育ちのアーティスト。2006年、大学進学を機に上京し、音楽活動を始める。2011年にbomiとして始動し、同年11月にタワーレコード限定でミニ・アルバム『Gyao! Gyappy!! Gyapping!!!』を、2012年2月に『OH MY POOKY!!!』を発表。6月にメジャー・ファースト・ミニ・アルバム『キーゼルバッファ』をリリース。そして10月24日にはファースト・フル・アルバム『メニー・ア・マール』(コロムビア)が発売決定! また、9月22日(土)、23日(日)の〈HARAJUKU KAWAii!! FES 2012〉、10月に行われる〈FM802 MINAMI WHEEL 2012〉などのイヴェント出演も控えるなか、11月23日(金・祝)には代官山UNITにて初のワンマン・ライヴ〈bomb bomb bomi!〉を開催する。詳しくはこちら