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【第13回】――ファンカデリック

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2012/09/12   00:00
更新
2012/09/12   00:00
ソース
bounce 347号(2012年8月25日発行)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンク を自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】 FUNKADELIC 『One Nation Under A Groove』 Warner Bros. (1978)

今回は70年代に主に活躍したファンカデリックを紹介します。僕はレッチリがよくカヴァーしていたことがきっかけで彼らを知りました、しかもレッチリの2作目『Freaky Styley』(85年)をプロデュースしたのが、ファンカデリックとその兄弟グループのパーラメントを率いるジョージ・クリントンなんですね。この2つのバンドを中心とする集団というか概念が〈Pファンク〉と呼ばれるものです。で、両者の違い……ぶっちゃけメンバーはほぼ同じですが、ジョージいわくパーラメントは歌ものを意識していて、ファンカデリックはギターをフィーチャーしている、ということだとか……。でも僕は、パーラメントはシンセが多用されたピコピコ系でファンカデリックはよりバンド感があるというイメージかな。バンドをやっている人にはファンカデリックのほうがわかりやすいですよね。ということで、そのなかでも取っ付きやすい10作目『One Nation Under A Groove』を今回はオススメします。僕も最初に聴いたのはこれ。それまでの作品は10分以上ワングルーヴの曲があったりして、結構聴く人が限られると思うんですけど(笑)、このアルバムの曲は起承転結がはっきりしていてすごくポップ。良くも悪くも本来のグループの特徴が出てる作品ではないとも言えるけど、ここで引っ掛かればその前の音源も聴いてほしいですね。個人的には6枚目の『Standing On The Verge Of Getting It On』(74年)がいちばん好きです。モータウンのスタジオ・ミュージシャン契約をして、ひとしきり仕事を終えたメンバーが戻った後のもので、そんな経緯があるからかリフが良くてカッコイイ曲が多いんですよ。

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Tシャツはプリンス・バスターですが

Pファンクはジャンル的に〈ファンク〉という括りですが、まったく別次元の音楽で、ミクスチャーという言葉が出来る前のミクスチャー音楽という気がします。ロックのアプローチをしていたり、歌もソウルフルだし。また、大所帯でメンバーの入れ替わりも多いんですが、ブーツィー・コリンズ(ベース)やバーニー・ウォーレル(キーボード)など伝説的な人もいます。特にエディ・ヘイゼルは〈ファンク界のジミヘン〉と呼ばれた人で、ファズめいた格好良いファンク・ギターを弾くんです。特に、ファンカデリック『Maggot Brain』(71年)の表題曲のプレイが有名ですね。作品自体はメロウなので〈One Nation〜〉とは方向性が違いますが。このように、唯一無二の世界観で一時代を築いたPファンクだけに、ヴィジュアルのギラギラっぷりもすごい。何を隠そうズットズレテルズの元ネタはこの人たちです。人数の多い感じとか。まあ、音楽的に通じるのは2曲くらいですけどね(笑)。



PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。最新シングル『マジメになったら涙が出るぜ/青い天国』(ARIOLA JAPAN)が好評リリース中! 9月以降のイヴェント出演も続々と決定しているので、詳しくは〈www.okamotos.net〉へGo!