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CHIMERA

連載
NEW OPUSコラム
公開
2012/12/25   00:30
更新
2012/12/25   00:30
ソース
bounce 350号(2012年11月25日発行)
テキスト
文/村尾泰郎


よりポップに、よりアヴァンギャルドに……



ショーン・レノンと本田ゆかが中心となって2007年に設立されたキメラ。これまでマイペースにリリースを重ねてきた同レーベルから2枚のニュー・アルバムが到着した。まず、オノ・ヨーコ+キム・ゴードン+サーストン・ムーアによる『Yokokimthurston』は、昨年行われた即興セッションをもとにしたもの。ソニック・ユースが活動を休止しているいま、キムとサーストンの共演は貴重だが、何より張り詰めた静寂と不穏なノイズが入り乱れるなか、地の底から立ち上がってくるようなヨーコのヴォーカル・パフォーマンスが壮絶だ。

続いて紹介するのは、ショーン・レノンとグレッグ・ソニア(ディアフーフ)の新プロジェクト、ミスティカル・ウェポンズの『Mystical Weapons』。恐らくこちらも即興をベースに作られたフリーフォームなサウンドではあるけれど、意表を突くプログレ的な展開や細やかな音飾など、実験性とポップさをバランス良く融合させているあたり、この2人らしいと言えるかもしれない。どちらもキメラならではのアーティスティックな精神に貫かれた作品だ。



▼文中に登場した作品を紹介。

左から、ヨーコキムサーストンのファースト・アルバム『Yokokimthurston』(Chimera)、ミスティカル・ウェポンズのファースト・アルバム『Mystical Weapons』(Chimera)