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ひよこNo.52 キュウソネコカミ

連載
ROCKひよこ組
公開
2013/01/16   17:59
更新
2013/01/16   17:59
ソース
bounce 351号(2013年12月25日発行号)
テキスト
インタヴュー・文/タマコ

 

タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場する連載!……の番外編!? 2013年のロック・シーンを揺るがす存在になるかもしれない、2012年の優秀なひよこをタマコが選定しちゃっていいかな?

 

 

みなさ〜ん、コ〜ンニチハ〜☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉担任のタマコです。いつもよりおっきいページになっちゃったんで、タマコ、そのプレッシャーに押し潰されそうです……が、落合元監督から学んだ〈オレ流〉を貫きたいと思います! さて、今回のひよこちゃんを紹介しましょう。2012年3月にファースト・アルバム『10代で出したかった』を発表したばっかり(〈ひよこのおともだち〉コーナーで紹介しました☆)なのに、早くも2作目『大事なお知らせ』(EXXENTRIC)を発表した注目度ネズミ昇りの5人組、キュウソネコカミです。

「大学の軽音楽部で、就職とかしなそうで仲の良いクズを集めました。アークティック・モンキーズみたいな音楽を、(結成後)1年ぐらいやったのですが、あまり反応が良くないのと僕の精神状態の悪化により、ライヴ・パフォーマンスが荒れていまに至ります。僕は青春パンクがルーツなので、銀杏BOYZからは影響を受けてると思いますね。そこから大学でシュッとした音楽に行きました」(ヤマサキセイヤ、ヴォーカル/ギター:以下同)。

彼が言う〈シュッとした音楽〉っていうのはアークティックみたいですが、そんなシュッとした音楽をやることに挫折したこの子たちがいま鳴らしている音は、ここ数年で登場した日本のロック・バンドのムードを受け継いでいる感じがします。the telephonesを思わせるアッパーな曲や、The Mirrazっぽいちょっとやさぐれた感じのナンバー、相対性理論風のストレンジな感じもありますね。やっぱり実際に影響はあるのかしら〜?

「めちゃくちゃあります。むしろ英語わからないのであんまり洋楽聴きません……ほかのメンバーはしっかり聴いてますけど。正直、The Mirrazやthe telephonesは大好きでよくライヴも行ってました。なので、滲み出てると思います(笑)」。

微笑ましいほど丸見えよ❤ 青春パンク的な童貞風情も持ち合わせて、ガムシャラにぶちまけてる感じが痛快です。でもね、この子たちの痛快さはそれだけじゃない! “ファッション・ミュージック”“音楽やめたい”“サブカル女子”——詳細な内容解説は聴いてのお楽しみ♪としますが、何となくタイトルから想像できる通りの辛辣さをカマしてます。歯に衣着せない、オブラートに包まない、でも〈物申す!〉みたいなスタンスじゃなくて、友達相手にボヤいてるようなユルいスタンスもおもしろい♪

「ウソはできるだけないようにしてます。常に攻撃的で優しい歌詞を書いていきたい。意識してるのは〈言いにくいことを言う!〉です。けど、それで気分悪くされた方がいるならすぐ謝る! 世の中ホンマにダサイことが多いからディスり放題……でも僕らもダサイと思われてるのも……知ってます(笑)。けど何でか、むちゃくちゃ自信あるんですよね」。

〈根拠のない自信には理屈じゃない根拠がある〉〈直感は概ね当たってる〉を座右の銘にしているタマコ、そういうの好きです。あ、根拠ないって決めつけちゃってごめんなさい!

さて、1年で2枚も作っちゃったもんだから、「フル・アルバムはもうこりごり」とボヤッキーなヤマちゃん。でもそのぶんたくさん知ってくれた人がいると思うよ! ではせっかくなので、2012年を振り返って、そして2013年に向けて一言、どうぞ。

「2012年、取り置き2桁になった。2013年 、オーラ欲しい」。

取り置きって何だ? ま、いっか——ということで、またたくさんのひよこたちがタマコの上を通りすぎていった2012年。この子たちが素敵なニワトリに、そして1組でも多くが(まさかの)白鳥になって音楽シーンへ羽ばたいてくれることを願っています! さて、2013年の〈ROCKひよこ組〉もますます〈ネバーランド〉化を促進していく予定ですが、閉園に追い込まれるかもしれません! それでもタマコは落合イズムを貫きます! ではまた次回☆

★2012年の決定盤を紹介する特集〈OPUS OF THE YEAR 2012 pt.3〉はこちらから

 

▼関連盤を紹介。

キュウソネコカミの2012年作『10代で出したかった』(EXXENTRIC)