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[第2回]スタイル

連載
tofubeatsの棚の端まで
公開
2013/05/01   14:00
更新
2013/05/01   14:00
ソース
bounce 354号(2013年4月25日発行)
テキスト
文/tofubeats


豆腐百珍フロム神戸! 奇才のCD棚の端から端までをかけめぐる連載インマイルーム!



こんにちは。最近はきゃりーぱみゅぱみゅ“にんじゃりばんばん”が良い曲すぎて衝撃を受けました。tofubeatsです。やっぱりヒップホップから音楽を始めた身としては、常に自分のスタイルとの自問自答を続けたり、他人から考えさせられることが多いのですが、そんななかで改めて僕が〈スタイル〉があると思うアーティストの作品を棚から引っ張り出してみました。

 

1. ECD 『The Bridge 明日に架ける橋』 FINAL JUNKY/Pヴァイン(2013)

やっぱりヒップホップ関係者と話をすると「好きなラッパーは?」と訊かれることがありますが、昔からECD氏をそのなかに挙げることが多いです。近年のILLICIT TSUBOI氏とのスリリングな掛け合いでフレッシュさはむしろ増してて、この盤もまさにそんな感じでした。出音の安心感はもちろん、ヒップホップにいちばん大事な〈スタイル〉が落とし込まれてるのはやっぱりすごい。ヒリヒリする生活感。ぜんぜん関係ないですが、僕もニューエラ似合いません。

 

2. A.K.I. PRODUCTIONS 『小説「我が輩はガキである・パレーシアとネオテニー」』 AWDR/LR2(2012)

そんなECD氏のサウンドの中核を担っているTSUBOI氏が実は昔在籍していたなんてことはネットで最近知りましたが、自分のなかで〈スタイル〉があるラッパー(語弊がありますかね?)といえばA.K.I.氏になります。前作も相当すごかったのですが、〈リアル〉であったり〈ヒップホップ〉に向き合って生きることについて、改めて考え直させられる盤+ブックレット。ガキさん卒業後の氏の動向も気になります。

 

3. PARA ONE 『Passion』 Marble/KSR(2012)

昔TTCのトラックを作ってた人だなんてこと知らないリスナーもいまや多そうですし、僕もここまで長く新譜を楽しみにするアーティストになるとは、初めて聴いた時は思ってませんでした。説明不要の超名盤です。唯一無二かつ進化が止まらないすごさ。やってることは変わっても、常にその時代の新しいものを提供してくれるので本当に影響されてます。主宰レーベルのマーブル周辺の動きが本っ当に格好良すぎてつらい! 絶え間ない変化とそのなかでブレてない的がある。

 

PROFILE/tofubeats(トーフビーツ)



90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。9nineやlyrical school、小泉今日子、YUKI、SNEEEZE、フロウ・ライダーらの作品にてプロデュースやリミックスなどを手掛けている。このたびは超待望のファースト・アルバム『lost decade』(tofubeats)と、これまでのリミックス・ワークの一部をまとめた『university of remix』(ソニー)を同時リリースしたばかり! そのインタヴューも併せてチェックをよろしくお願いします。それ以外のさまざまな最新情報あれこれは〈www.tofubeats.com〉にて!