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ひよこNo.56 夕暮レトロニカ

連載
ROCKひよこ組
公開
2013/05/22   00:00
ソース
bounce 355号(2013年5月25日発行)
テキスト
文/タマコ


タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!



夕暮レトロニカ_A



みなさ〜ん、コ〜ンニチハ〜☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉担任の、最近はaikoを聴いて沁みてるタマコです。今回はそんなセンティメンタマコがいまお気に入りの3人組、タワレコ&ライヴ会場限定でミニ・アルバム『夜が明ける』(daybreak)を発表した夕暮レトロニカを紹介します☆

「2年半前に初作を出して以降、曲がまったくできない時期があったり、人間関係で考えさせられたり……そんななかで自分に何ができるかを考えた時、友人から〈人間食ったもんしか出ねえよ〉と言われて。そうだなあと、思ったことを歌って3人で演奏するのが答えじゃないかと。すごい普通のことなんですが、その普通は良い意味で。なのでいまはバンドを始めた時のような心持ちです。前作はサウンド面でいろいろこだわりましたが、今回はドラム、ベース、ギター、3人の声でやれることをやろうと」(岡田ピロー、ヴォーカル/ギター:以下同)。

でもね、〈普通〉がリスナーにとってどれだけ心強いかをこの作品から感じました。時にガシャガシャと陽気に音を鳴らし、時に切ないスロウを奏で——シンプルなギター・ロックと、日々の〈さえない気持ち〉を綴った歌を聴いていると、〈普通〉であることが何だか誇らしく思えたりもして。

「ネガティヴな気持ちを吐き出すように歌うと、なぜか救われたような気持ちになる。その感覚がバンドの原動力だと思います。ただ、このさえない気持ちはゴールじゃなくてただのスタート地点で、いつも違う所に行きたいと思ってますよ」。

冒頭の“終わらせんな青春”の青い歌詞には痺れちゃいました! また、“オコラリーノ・ホッサレリーニョ”なんてロシアン風味のシャレの利いた曲もおもしろいし、全7曲は楽しくてグッとくるものばかり!

「〈オコラリーノ〜〉はもともとロシア民謡っぽいようなものを作ろうと思ってセッションしてたら似非ラテンみたいになりました(笑)。夕暮レトロニカにハマる入口を幅広く設けたような、7曲全部が表題曲になり得る作品だと思います。ここまで2年半かかりましたが、この作品でまさに夜が明けます。これからペースを上げてどんどん新しい歌を作っていくので、ライヴで、CDで、あなたと歌いたい!という気持ちです」。

歌う! 〈200円で始発まで待とうぜ〜♪〉……また次回☆



ひよこ組のおともだち



asobius 『Rainbow』 RX/UKプロジェクト

シガー・ロス的な深いリヴァーブのかかった音像の奥で、時に穏やかで、時に情熱的で激しいギターが鳴り響いております。美しいメロディーもしっかり立っていてイイですね。これが初ミニ・アルバム。こりゃ化けるかもしれない!

 

水中図鑑 『ふれるところ、ささるとげ』 Rallye

これまたリヴァーブ深めな、シューゲイザーなどオルタナ・ロックのテイストが全開になっています。そのなかで初期スーパーカーを思わせたり、はっぴいえんど的な情緒を感じさせたり——轟音中に響くローファイな歌は何だか幻想的!

 

フーイナム 『ポップ・スタンダード』 PLASMA ENTERTAINMENT

キラキラな京都発のギター・ロック・バンドです。4つ打ち多めの軽快なビートに乗って、心躍るメロディーが爽やかに駆け抜ける! これを聴いてたら、外に出たい、走りたい!と、まさに外向きな気分になりますよ!

 

a picture of her 『C』 Friend of Mine

硬質な音がせめぎ合うポスト・ロック。複雑な楽器の絡みが、スリリング!というよりも穏やかでリラックスした聴き心地なのが特徴です。前のめりのドラムが昂揚感を高めるアグレッシヴな“Picnic-Perfect”など、小難しくなくライトです!