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第15回――【今月のレポート盤】RIP RIG & PANIC 『God』

連絡ノート

連載
ろっくおん!
公開
2013/06/05   00:00
ソース
bounce 355号(2013年5月25日発行)
テキスト
文/生麦 温


部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう! 何やらおもしろそうなリイシュー盤が 紹介されていますよ!!



鮫洲君は見た目がちょっと怖いけど、思っていたより素直な性格だったから安心しました。さてと、今月ゲットしたCDを紹介します。まずはポール・マッカートニー&ウィングスの『Wings Over America』(Capitol/ユニバーサル)。76年のツアーを記録した2枚組の名ライヴ盤が、アビー・ロード・スタジオでリマスタリングを施されてついに復刻。演奏といい、歌唱といい、ウィングス絶頂期のドキュメンタリーとして実に素晴らしい内容だし、長らく廃盤だったこともあって、これはとても嬉しい戦利品です!

続いてはデヴィッド・ゲイツがブレッド結成前にソングライターとして他者に提供した楽曲から成る編集盤『The Early Years 1962-1967』(Rare Rockin'/MSI)です。オールディーズやソフト・ロック・フリークが卒倒確実の超胸キュン・ポップ・ナンバーが目白押しで、作曲者としての非凡すぎる才能を思い知らされる最高の一枚。捨て曲がまるでないので、大袈裟じゃなく年間ベスト・コンピの最有力候補かも!

お次はオランダの知られざるAORグループ、パートタイムが81年に残した『In Time』(PR/ヴィヴィド)。いままでほとんど話題になったことのない自主制作盤らしいんだけど、ジャケそのままの潮風薫る爽快なメロウ・グルーヴが満載で、これからの季節にピッタリの作品です。フリーソウル的な目線からも話題になりそうだから、ジョンもマスト・チェックだよ。

最後はガラリと趣向を変えて、US西海岸産クリスチャン・サイケものをピック。サーチ・パーティーの2in1『Montgomery Chapel/St. Pius X Seminary Choir』(Erebus/Lion)です。素人臭丸出しの危うい演奏と狂気にも近い信仰心が醸し出した、妖しくもアシッドな雰囲気が強烈すぎる共に68年発表の音源です! 最近のリヴァーブばかりに注力してるような似非サイケ・バンドにはない、本物のヤバさが充満した戦慄の秘宝アイテム。部員の皆さん、震えてください。