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第1回 ─ ゆらゆら帝国@恵比寿ガーデンホール 2003年5月30日(金)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/06/18   17:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/内田 暁男


いつにも増して野郎の声援がスゴイんですが……そんななかライヴはアルバム『ミーのカー』収録の “午前3時のファズギター”でスタート。静かな曲途中で突然バーストする坂本慎太郎のファズ・ギターがいつ見ても気狂い感満載です。

 下のセットリストを見てもらえればわかるとおり、おおまかに言ってこの日は前半部分を最新アルバム『ゆらゆら帝国のしびれ』&『ゆらゆら帝国のめまい』タイム、後半部分を『3×3×3』(及び『ゆらゆら帝国III』)タイムという感じで進行。曲をほとんど他人に歌わせるという『ゆらゆら帝国のめまい』収録のありえない3曲──“バンドをやってる友達”“恋がしたい”“ボタンがひとつ” ──が坂本ヴォーカルで歌われたときの壮大な虚無感たるや(とくに“恋がしたい”!)、えらいことになってました。なんかヴェルヴェットみたい!!と一人で勝手に昇天。最新アルバム2Wの楽曲はゆら帝を確実にさらなる高みへ持ち上げています。

 そしてラスト・ナンバーの“星になれた”で聴ける坂本の泣きのギター・ソロが、この日のライヴを締めくくる……でもなく、ただひたすらだらだらと、しかしとっても美しく鳴らされたとき、僕の脳内サイケデリアも満開に。テクノとの近似性すら指摘される麻薬的なリフのミニマリズム、モー娘とタメを張る狂乱と虚無のエンターテイメント性……いやホント、いまロックの領域でここまで踏み込んでいるバンドはほかにいません。断言。(内田暁男)


・5月30日ゆらゆら帝国@恵比寿ガーデンホール/セットリスト

M1 午前3時のファズギター
M2 ハラペコのガキの歌
M3 ハチとミツ
M4 誰だっけ
M5 侵入
M6 無い!!
M7 バンドをやってる友達
M8 ドア
M9 恋がしたい
M10 傷だらけのギター
M11 夜行性の生き物3匹
M12 貫通
M13 ボタンがひとつ
M14 わかってほしい
M15 昆虫ロック
M16 ラメのパンタロン
M17 発光体
M18 つきぬけた
M19 3X3X3
M20 ゆらゆら帝国で考え中
M21 星になれた