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第5回 ─ tica、原田郁子、ポラリス@新宿リキッドルーム 2003年6月23日(月)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/07/02   17:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/原田★星

メンバー自らが共演者を選び、出演のオファーまですることがあるというPolaris主催のイベント、〈continuity〉。3回目となる今回は、tica、原田郁子の2組がゲストとして出演した。


tica

トップ・バッターはtica。エマーソン北村、東京スカパラダイスオーケストラのNARGOらをゲストに迎えて、新作『latest rules』と9月発売予定の次作『morelatest rules』からの曲を中心にしたダビーな構成。緩急のメリハリがついた好演を見せてくれた。続いては、クラムボンの原田郁子が登場。これが初のソロライヴとなる彼女は、ticaに引き続いての演奏となるエマーソン北村との共演という形で舞台に立った。小沢健二“大人になれば”のカヴァー(絶品!)からスタートし、台湾映画『藍色夏恋』に書き下ろした曲“風色夏恋”など5曲を披露。初めこそ照れと緊張が見られた原田だったが、演奏と共に徐々に開放度が増し、終わる頃には会場全体を笑顔に包む込むような、そんなほんわかとしたステージを展開した。欲を言えば、もう少し長く聴きたかったような……。


原田郁子

そしてトリはPolaris。まずは、坂田が一人でステージに現れ、ドラムで一定のリズムをキープさせていく。そこに続いてオオヤがディレイをたっぷり利かせたギターで参加、最後に柏原が極太のベースでビートを刻んでいくという、トーキング・ヘッズ『Stop Making Sense』を思わせる(わからない人はこれを見よう!)登場に、フロア全体の雰囲気が一気に引き締まっていくのがわかった。シェイプされた音数の中で渦巻くグルーヴと、陶酔しているかのようなオオヤのヴォーカルが、会場を拡散しながら埋め尽くしていく。序盤2曲終了後、原田郁子がキーボードとコーラスで参加。クラムボンの“シカゴ”を相性バッチリのツインヴォーカルでカヴァーするなど、ここでしか見られない貴重なパフォーマンスも見せてくれた。

表現を追求しつつも、決して独りよがりにはならず、観客へのサービスも忘れてはいない。ステージ構成と演奏力、メンバー同士の関係、観客とのコミュニケーション。どれをとっても申し分ない素晴らしいステージだった。Polarisというバンドが今できる最良のステージと言っても過言ではないだろう。メンバ-の顔にもフロアを埋める観客の顔にも浮かんでいた、幸福感に満ちた笑顔がそれを証明していたはずだ。なによりも、曲が終わる度に「いやー、いい!」を連発していたオオヤの言葉に、このイベントの全てが詰め込まれていたのではないだろうか。

6月23日continuity #3@新宿リキッドルーム

・tica
M1 Don't Cry Sista
M2 PROPHECY
M3 RACIST FRIEND
M4 ROCK THE CASBAH
M5 LIVIN' IN THE LIGHT
M6 LOVE JUNKYARD

・原田郁子
M1 大人になれば
M2 風色夏恋
M3 まちわびまちさび
M4 かわいいベイビー
M5 新曲(タイトル未定)

・Polaris
M1 天気図
M2 ねじまわし
M3 10:30am
M4 深呼吸
M5 シカゴ
M6 光と影
M7 流星