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第10回 ─ LITTLE TEMPOライヴ“MUSICAL BRAIN FOOD”@新宿リキッドルーム 2003年7月10日(木)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/07/17   18:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/原田★星

5月に傑作アルバム『MUSICAL BRAIN FOOD』を発売、8月にはダブ・アルバム『FIREBLENDER』を発売するLITTLE TEMPOのライヴを最速レポート!


いやー、最高のライヴだった。というのは、7月10日に新宿リキッドルームで行われたLittle Tempoのライヴの話。これまでの3人編成+ゲストというメンバー構成から、より関係を密にした9人のユニット〈LITLE TEMPO & KEDAKO POSSE〉としてのリリースとなった新作『MUSICAL BRAIN FOOD』。当日のライヴでは、新作で聴くことができた、メンバー間の結束からくる一体感、各メンバーの演奏力、所々で覗かせるユーモアなど、あらゆる要素がすべて集まって極上のエンターテイメントとして昇華されていた。

アルバム1曲目の“MOROCCO”からスタートすると同時に、バンドとしてのコンディションが最高の状態であるということが伝わってくる。BIG BIRDのぶっといベースの中に響いてくるTICOと田村玄一のスティール・パン・デュエット。絶妙なタイミングで鳴らされるHAKASE(メンバー紹介では女子から黄色い声が!)のキーボードと田鹿健太のリズミカルなパーカッション。そして間を生かした佐々木育真のギタープレイ。ひとつひとつを書いているとキリがないくらいそれら全てが心地よく、本能に訴えかけてくるのだ。正直なところ、新作の音数の多さをライヴで再現することに対して多少の不安感を抱いていたのだが、そんな考えは杞憂でしかなかった。彼らは全体を把握した上で、それぞれの役割をきちんと理解し、鳴らすべき場所で自分の音を鳴らしていた。アンコールで演奏したオールディーズのカヴァー“Summer Time”の中で見せた、ドラムとベース以外のメンバー全員が即興でソロを演奏するなんて心憎い演出にも、ひとりひとりが抱える使命のようなものが伺えたように思う。

部屋でCDを聴いているだけでは味わえない、体の内側から喜びがこみ上げてくるような場面が何度もあった。それは、あの会場にいた全員が感じていたことではないだろうか。その場の空気がゆっくりと緊張から弛緩へ流れ、自然と笑みが広がっていく様子が手にとるようにわかった。各メンバーのコンディションが、観客ひとりひとりに伝わってくるような、終始ハッピーなヴァイブが会場中に満ちている(しつこいようだけど、ほんとに)最高のライヴだった。夏のイベントにもいくつか出演するので、彼らのライヴ未体験の方は今のタイミングでぜひとも体験してみてほしい。

・7月10日 LITTLE TEMPOライヴ“MUSICAL BRAIN FOOD”@新宿リキッドルーム

M1 MOROCCO
M2 JEMIMA
M3 GAGARIN GOES TO JAMAICA
M4 AFRICAN LULLABY
M5 TAMAKAZE
M6 NUNCA NUNCA
M7 KETE AND POCO
M8 FRUITS INA MAMOTH
M9 FUTURE OBSERVER
M10 CHIRDLEN OF THE NITE
M11 MUSICAL BRAIN FOOD

アンコール
M12 SUMMER TIME(カヴァー)
M13 LOVE ME BABY
M14 SPASHIE&POKUBEH(DREAD EYE)
M15 TWINKLE FRUSH BEATS

▼各メンバーの関連アルバムを紹介