こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

第11回 ─ Barfout! 1993-2003 10th Anniversary @表参道・モントーク 2003年7月4日(金)DJs  :MONDO GROSSO,MURO,Fantastic Plastic Machine,AKAKAGE,amonライヴ:jazztronik

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/07/22   12:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/原田 亮

90年代前半のトーキョー・クラブ・シーンにて産声を上げた音楽情報誌〈Barfout!〉が創刊10周年を迎え、表参道のカフェ〈モントーク〉にて記念イベントを開催。MONDO GROSSO、MURO、ファンタスティック・プラスチック・マシーン、Jazztronik等が出演、という豪華極まりないパーティに飛び込んできました。


MURO

 オープン直後から3階建てのバー・スタイルの会場には、関係者、セレブ(?)がいるわいるわ……とにかく尋常じゃない人口密度の中で、最初にパーティをロックしてくれたのはMONDO GROSSOこと大沢伸一。ファンキー・ハウスを軸にその多様な音楽性をパックした自身の新作『Next Wave』が大ヒット中の彼ですが、この日もエッジの効いたハード・ハウスをクールに盛り込みながら、駆けつけシャンパン一杯、といった様相。で続いては〈キング・オブ・ディギン〉MURO。王様MUROからの10周年セレブレイション・セットは、STAXマナーのファンク・ナンバーから正体不明のレア・ソウル盤までを抜群のカットインで繋ぎつつ、アース・ウインド&ファイアーアーチー・ベル&ドレルズといったBarfフォロワーの紳士淑女たちをくすぐるダンス・ナンバーを絡める……うーん、オトナ(しかも不良)なチョイスです。


田中知之(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)

そして、日付がかわった頃にバトンタッチしたファンタスティック・プラスチック・マシーンこと田中知之氏は、いきなり〈マンチェ・ダンス名曲〉808ステイト“Pacific”ではじまり、コーナーショップなどなどロック魂でハウス・ナンバーをプレイ。DJブースでニヤリとしながらプレイする田中氏、その選曲に場内もニタリ。ニタリ。


野崎良太( jazztronik)

 AM1時半頃、いよいよ本日のライヴ・アクト、Jazztronikが登場(当日はクラブ・クアトロでの公演を終え駆けつけた)。今回は会場のスペースにあわせて、キーボード、フレットレス・ベース、パーカッション&女性ヴォーカル二人という五人編成でのライヴで、近作『SET FREE』、『Horizon』のナンバーを中心に、爽快なブラジリアン・ハウス“Livin' High”、3拍子激メロウ・バラード“Colors Of Days”などなどを30分余りのセットで演奏してくれました。前半戦は会場の音響に少々不自由していた感もありましたが、普段より生々しい少数編成でのプレイは段々と白熱、最後は場内大喝采でアンコールがおきるほどの盛り上がり。個人的には、アンコールのピアノ・トリオ編成でのプレイ中、一瞬テノーリオ・ジュニオルマンフレッド・フェストが憑依したかのような野崎良太氏のメロウ&パーカッシヴなキーボード・プレイが鳥肌モノでした。

その後は、7月30日に久方ぶりのニュー・アルバム『in the earth』を発表するAKAKAGEが、自身の新曲などもお披露目しつつ(鈴木桃子ヴォーカルによるラテン・ハウス名曲!)、フィルター・ハウスやラテン・トラックをAKAKAGEらしくゴッタ煮でDJプレイ。最後はamonがスムージーなR&Bで締めてくれました。

世界中の何処でもあり得ないくらい豪華なラインナップが登場したこのパーティ。そういえば、ディミトリ・フロム・パリスのDJ MIX盤『Night At The Playboy Mansion』(→)は彼が米〈Playboy〉誌のプライヴェート・パーティに触発されて官能的なディスコ・ナンバーを捧げた、なんてエピソードがありましたが、この〈Barfout!〉10周年パーティも〈Playboy〉のそれに負けない程の目映さを放っていたのでは? 誌面同様、作り手の美意識とアンテナ感度の高さに感服、拍手! の一晩でした。

▼ 出演アーティストの関連作品をドッ、とご紹介