こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

第16回 ─ スペースシャワー列伝:アナム&マキ、NIRGILIS、日暮愛葉@新宿LOFT 2003年8月8日(金)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/08/19   15:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/内田 暁男

毎回〈わかってる〉メンツで恒例となったイベント〈スペースシャワー列伝〉。8月8日のメンツは、越後屋、NIRGILIS、日暮愛葉。〈うんうん〉と音楽ファンは膝を打ったことでしょう。残念ながら当日越後屋はケガのため出演できずでしたが(アナム&マキが急きょピンチヒッターを!)、充実したイベントに変わりはなかった当日の〈スペシャ列伝〉の模様を早速レポートいたします。


アナム&マキ

 一番手にはアナム&マキ登場。この日の昼間なんと「お台場冒険王」(!)への出演を果たしてからの2本目のライヴ+越後屋のピンチヒッターという悪条件をものともせずに、2本のアコギをかきむしりつつ男勝りのソウルフル・ブルースを披露。ドライヴィンなギター・ストロークと絶妙のハーモニーは驚くほど息ピッタシでした。


NIRGILIS

二番手には大阪からやって来たNIRGILIS(ニルギリス)。相当フリーフォームなバンド・サウンドをキュートに奏でてしまうメジャー・ファースト・アルバム『テニス』をひっそりと愛聴している僕ですが、期待にたがわぬ演奏。
 4つ打ちから始まり、ディスコティックなダンス・クラシック、トーキング・ヘッズを彷佛とさせるニューウェイヴ・ファンク、ベックにも通じるフォーキーな質感など、めくるめく表情を見せるバンド・サウンドが〈新世代〉を強く印象付ける。ヴォーカリスト岩田アッチュの艶かしい存在感も増々堂に入った感があり、ちょっと前に見たときよりも格段の成長ぶりでした。チボ・マット以降のバンド・サウンドと言いますか……もはや〈ジャンルの横断〉なんて当たり前なご時勢ですが、ここまでバラエティーを感じさせるバンドは稀ではないでしょうか? 『テニス』のリミックス盤『スカッシュ』、FORCE OF NATUREリミックスが最高なタワレコ限定最新シングル“VUNA”も含めてぜひご注目を。


日暮愛葉

そしてラストを飾るのは活動休止中のSEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERよりソロ・デビューを果たす日暮愛葉。downyのバンド・メンバーをバックに従え完璧な演奏を叩き付ける様がまず圧巻。そしてまるでイイ感じにヨレたフランスのシャンソン歌手のような頽廃的な佇まい(グラマラス!)のカッコよさはバンド時代以上に圧倒的。2曲目でタバコに火を点ける永遠のオルタナティヴ・クイーンは、ホールのコートニー・ラヴにもリズ・フェアにもタメをはるでしょう(見たことないけど)。抜群のタイム感でバシッと切り取られたシャープなオルタナティヴ・ロックの連続と、愛葉のサディスティックなMCに打ち震えてるうちにアッという間に終わっちゃいました。YUKIに提供した“the end of shite”のセルフ・カヴァーも9月10日リリースのファースト・シングル“NEW LIFE”もあり得ないほどカッコイイし、それと同時にものすごくスタイリッシュ。浅井健一(JUDE)とかチバユウスケ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とかもそうだけど、ロックに選ばれた人たちは何やっても様になっちゃうんです(ステージ上でけだるくタバコを吸う姿がたまらない愛葉に子供がいるとか思う人って少ないのでは? てか思う人いないでしょ)。ギア全開な印象の彼女の今後の活動にマジで期待しております。

▼出演アーティストの作品(&関連作品)を紹介