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第21回 ─ aiko Love Like Aloha@片瀬海岸・西浜海水浴場8月30日(土)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/09/17   18:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/久保田泰平

夏休み最後の土曜日。18年ぶりの快進撃をみせる阪神タイガース同様、浪速の誇る至宝、aikoが江ノ島でコンサート……ってことで、行って参りました!

 
  会場の片瀬海岸・西浜海水浴場には、小田急片瀬江ノ島駅で降りれば徒歩3分で着きます。が、この日はあえて江ノ電に乗って江ノ島駅下車で会場へ。こちらは少々歩く(っていっても10分ぐらい)けど、特別なイヴェント、その会場に向かうまでの高揚感をほんの少しでも強く味わいたかったので、あえて。

 開演時間ギリギリの午後6時ちょい前に着くと、ステージから海岸線に沿って続く、長~い人の波が! その光景はちょっと異様な感じ。そんな混雑を横目に、招待者のためにキープされていた海の家に上がって、のんびりと開演を待つ僕。いや、待つ間もなく開演の時間(おいおい、まだビール開けてないよ)。

 “アンドロメダ”のイントロが流れ出すと、会場は大波が押し寄せるかのようにうねり、われんばかりの歓声が。そして、aiko登場。その装いは、案の定ビキニだったりすることもなく、ちょっぴりリゾートちっくな感じで。う~ん、せめておヘソぐらいは出してほしかったな……などとぼやきつつ、1本目のビールを開ける(プシュッ)。“ボーイフレンド”“心日和”と続いたところで、浜の感触を味わいたくなり、砂の上に降りてみる。ひんやりとした砂の感触がたまらない。でもって、裸足で楽しむライヴは、いつもの会場とは違って開放的な気分に……なんてベタなこと言うけど、ホントそう。ちなみに、合コンなど女の子を誘って飲みにいくときは、座敷の店を選ぶと良いそうです。なんでかって? それは……ステージの様子に戻りましょう。

  凝ったシチュエーションのライヴということで、当然凝ったプログラムも披露。〈Love Like Aloha メドレー〉と題して、まずはサザンの“勝手にシンドバット”の出だしを絶叫するaiko。続けて“相合傘”“アスパラ”“カブトムシ”と、しっとり聴かせたあと、ダメ押しに不朽のラヴソング“君といつまでも”を熱唱。こういう場所では、こういうベタ過ぎるぐらいの曲がマッチするんだなあ。なんとなく会場がロマンチックな空気に包まれていった感じ。

  持っていたビールの缶も軽くなったところで、2本目を。海の家のオバちゃんに小銭を渡している僕のうしろでは、“September”が流れ始める(そういえば、会場が会場、季節が季節だけに、アルバム『夏服』からのレパートリーが多めですな)。日が暮れたあとの涼しい風とともに流れてきたその曲を聴きながら、気分はすっかり秋モード。いやあ、もう一回夏が戻ってこないかなあ……なんて、今年の巨人ファンみたいに未練がましいことをつぶやいてみたり。

  ちょっぴりセンチな気分になったところで、まさにこの場所で聴きたかった“花火”が始まる。サビあたりでは、大層な花火がドンパン上がるのか?と期待しつつ聴いてたんだけど、とくにそのような演出はなく。ただ、遠くのほうで、手持ちの連発花火を上げている姿を確認。たぶん一般の民が楽しんでいるものだったんだろうけど、むしろそのほうが妙に曲とシンクロする感じでした。

  さて、イヴェントも大詰め。“イジワルな天使よ 世界を笑え!”は、やっぱりマストで。途中のコール&レスポンス部分で、これでもか!と言わんばかりに会場の熱をまたしても上げまくって上げまくって上げまくって……上がった~! 花火も上がった~! 結構ハデなやつ。そういえば、今年初めて見たわ、花火。なんか、なかったものになってたような〈2003夏〉が〈Love Like Aloha〉で取り戻せた感じ! ありがとう、aiko。そんな感謝の気持ち(ホントだよ、aiko)を胸に、ラスト・ナンバー“マント”に耳を傾けるのでした。