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第31回 ─ A BATHING APE presents BAPE 10th Anniversary @渋谷WOMB 2003年11月2日(日)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/11/13   11:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/山田典明

10周年を迎えたA BATHING APEの記念イベントに、あのネプチューンズが〈STAR TRAK〉軍団を率いてやって来る! この夏リリースされレーベルコンピ『The Neptunes Present... Clones』の大成功後という、グッドタイミングで来日したその雄姿をレポート。

 深夜12時過ぎに会場に到着したときには、すでに会場は超満員。A BATHING APE10周年の記念パーティということで、メディアを賑わすセレブの姿もチラホラと見かけられた。フロアからVIPルームを羨望の眼差しで見上げるヤングな諸君に幸あれ、なんてことを思いながら、事前に告知のなかったネプチューンズのパフォーマンスがどんなモノになるのか? 思いを馳せる。

 DJ KAORIなどのDJ陣がフロアを温め、1時45分を回ったあたりで、遂にスタートラック軍団が登場! クリプスを筆頭に、ロスコP.コールドチェイン、AB、ファム―レイ、そしてステージ後方にファレル御大の姿を発見。プロデューサーとしての役割上か、またはオイシイところは後で・・・・・・、という戦略なのか、落ち着いた印象だ。残念ながら、チャドの姿は見られなかった(今回は来日せず。1人で8月にプロモーション来日したためお休みだった?)。

 ステージ上に巨漢セキュリティや同行スタッフも合わせて総勢20人近くが揃い、まさに圧倒的な存在感を醸し出す。「スタァーートラァーーック」の雄叫びと、春のナード来日公演時にも見せたという、中指と薬指を開き手の平を前方に掲げるハンドサインで〈STAR TRAK〉をレペゼン。フロアの観客も同じように、ハンドサインを示して応える。

 ファレルは序盤でTシャツを脱ぎ捨て半裸姿に。ステージ上をくまなく歩き回り、他のメンバーのパフォーマンスに混ざりつつ、常にステージの状況に気を掛けている様子だった。クリプスやファム―レイのアッパー調子なパフォーマンスをサイドから眺め「イイよー、イイよー」といったような風情でご満悦な表情。ときにはスタッフが手渡すミネラルウォーターのペットボトルをステージのメンバーに配るなんていう姿もあり、何というか、比較的環境に恵まれているといわれるアトランタ出身らしく〈育ちの良さ〉が感じられた。

 全体的にラフなステージではあったが、それはパーティならではのフィーリングが感じられるものだった。とにかく音楽を楽しむという彼らの姿勢がそこにはあった。ここぞという後半になってファレルが“Frontin'”のフレーズをアカペラで唄い出すと、待ってましたとばかりにフロアがどよめいた。こうやって2003年のシーンを代表する曲を欠かさずパフォーマンスするサービス精神に、エッジなサウンドをチャートにぶち込む、ネプならではのエンターテインメント性を外さない態度が感じれた。MCでは来年の再来日をフロアのファンに向って約束。クリプスは12月にニュー・アルバムをは発表予定、ファム―レイのアルバム・レコーディングが佳境に入り、またN.E.R.Dの2ndアルバムも待たれる。2004年、エンターテインメント界に〈STAR TRAK〉がどれだけの大攻勢を仕掛けるのか、今から楽しみが尽きない。

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