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第32回 ─ MTV's Color Jam@新木場Studio Coast 2003年11月22日(土)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2003/11/27   14:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/bounce.com編集部

世界的ヒットを放ったダンスホ-ル・レゲエ界の貴公子、ショーン・ポールが新木場にやってきた! だけじゃなくって、Asuka、MINMI、湘南乃風、MIGHTY JAM ROCK、MOOMIN、FIRE BALLが揃い踏みする! これは一大事。ということで、bounce.com担当原田がbounce編集部の大石始氏と現場に突入。ダンスホールのイロハを尋ねつつ、当日の模様を振り返ってみました。 

原田(以下、原):いやー新木場、熱かったしエロかったし、タオル回したし。すごい盛り上がりでした。

大石(以下、大):Asuka、MINMI、湘南乃風、MIGHTY JAM ROCK、MOOMIN、FIRE BALLがラバダブ形式(セレクターが次々プレイするオケにあわせてアーティストが唄う)でのパフォーマンスで、その後MIGHTY CROWNがセレクターとMCによる即興パフォーマンス。そして最後にショーン・ポールがバンドを従えて登場。いい流れでしたね。

原:目玉のショーン・ポールは二人のサイドDJ(歌う人の方)を連れてパフォーマンスしていましたね。サイドDJの片方はショーンの弟だったそうです。ダンサーも女性4人(凄まじくセクシー!)を引き連れて大所帯でお祭りっぽかったし、ギタリストのノリなど結構ハード・ロックっぽいトコロもありましたね。

大:ショウ・アップされていて、意外にアメリカのエンターテインメイントっぽい部分を感じましたね。前半からド定番の“Gimme The Light”を披露して出し惜しみゼロ。最後は大ヒット曲“Get Busy”で締めるっていう。JAY-Zとかとアメリカ国内をツアーした〈ロック・ザ・マイク・ツアー〉なんかで鍛えられた面もあったのかな? アルバムのクールな質感にはない、意外に〈エゲツない〉感じのあるライブで楽しかった。あと、意外に背が低かったかな(笑)。

原:MIGHTY CROWNはショーンの前のパフォーマンスでしたけど、〈ショーン・ポールとセックスしたい女の子は両手挙げろー!〉なんて煽ってましたね。MIGHTY CROWNのファンのノリの良さには驚いた(笑)。

大:そうそう。MIGHTY CROWNが行ったようなMCとセレクターによる即興パフォーマンスは、イベントの趣旨や内容によって毎回選曲のスタイルが変わるんです。ファウンデーション・チューン(定番曲)ばかりをプレイする時もあれば、日本人アーティストの曲ばかりかける時もあるし。当日の彼らは、それら全部を凝縮したようなスタイルでしたね。一番かかっていたのはエレファント・マン、シズラあたり。古めのボブ・マーリーのほか、パンジャビMCなんかも混ぜていたな。あと、ショーン・ポールとMIGHTY CROWNの関係はちょっと特別で。ショーン・ポールは以前からMIGHTY CROWNのためにダブ・プレート(シングルの歌メロを各サウンド・システム用に歌いなおした盤)を吹き込んだりしていて、アンダーグラウンドの繋がりの中でお互いを持ち上げてきたんです。

原:なるほど、ちょっとイイ話ですね。個人的には、日本人アーティストにショーン・ポール以上の勢いを感じてしまいました。FIRE BALLやMIGHTY JAM ROCKのパフォーマンスは現場にいないと分からないノリでしたね。各アーティストそれぞれ、〈レゲエ・ファン以外のひとに対して、自分たちの音楽をプレゼンテーションしよう〉という意識が感じられるパフォーマンスだった気がするのですが。

大:その通り。当日はみんなキラー・チューンを凝縮していて、MIGHTY JAM ROCKなんかもメンバー三人それぞれの代表曲を続け様に歌ったり、かなり特別な感じでした。ベテランが多いし、皆それぞれシーンをどうやって作っていくか? という意識を持っているのだと思いますよ。MIGHTY CROWNは特に意識が強くて、ショーン・ポールを今回呼んだ(今回の来日公演実現にはMIGHTY CROWNのバックアップがあった)こと自体が日本のレゲエ・ファンへの〈エデュケーション〉的な意味合いもあったんでしょう。今回は〈外タレの前座で日本人のアーティストが出演した〉というよりも、むしろ〈ジャマイカと日本のシーンの繋がりを感じる〉という面白さがあった思います。

原:ここでその全てをご紹介しきれないのは残念ですが、新木場〈Studio Coast〉のフロアを埋め尽くした人々(ギャル多数)の勢いに、日本のダンスホール・レゲエ・シーンの層の厚さを感じてしまいました。今後も現場はガッチリと盛り上がりつつ、ヒット・チャートを賑わすMINMI、MOOMINのようなアーティストが出てきそうですね。

大:来年もいっぱい出てきますよ。大阪にいる〈ダンスホール界のイルリメ〉とか(笑)。楽しみですね。

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