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第45回 ─ MAGIC ROCK OUT@幕張メッセ国際展示場9番ホール 3月20日(土)2004年

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2004/04/05   21:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/土屋 恵介

大阪と東京で開催された狂乱のロック・フェス、〈MAGIC ROCK OUT〉。なんといってもイギー&ストゥージス、プライマル・スクリームという2大巨頭が揃い踏みとあってロック・ファンの話題を集めていました。さて、現場の模様はどんなことになっていたんでしょう? ディスティラーズ、フューネラル・フォー・ア・フレンズ、サウス、大江慎也(UN)など他にも豪華なメンツが集った祭典のなかでも、とりわけヒートアップした4組のアクトを紹介です!!!

横山健


photo by aokinoko(以下同)

ハイスタ活動休止後、BBQ CHICKENSや原爆オナニーズでの活動もあるが、メインとなる本格的ソロ活動をスタートさせた横山健。この日のステージがソロとしての初ライヴだ。 外人ギタリスト&ベーシストを含む4人編成のバンドで登場した横山。〈待ってたぞ!〉感が爆発したようなオーディエンスの反応は相当なもの。ライヴは、大ヒットとなった初アルバム『The Cost Of My Freedom』のなかからプレイ。初ライヴだけにバンドとのコンビネーションもこれからという感じもあったが、それも曲数をこなすごとに徐々にクリアー。そういった問題をも簡単にはねのけてしまう曲の良さを再確認。ここからどう発展していくのか、期待感の高まるライヴだった。

JUDE


長時間に渡り繰り広げられたオールナイト・フェスの、バンドとしてのトリを飾ったのは浅井健一率いるJUDE。4時半という夜明けも近い時間帯だけに、お客さんも相当疲れきっていた。そんななか、眠気も吹き飛ばすようなサウンドを轟かせた彼ら。〈ハロー東京ベイビーズ! 〉。その一言だけでもビシッと伝わる浅井の存在感は、いまだ圧倒的なパワーを持ち続けている証明だ。ロック・チューンは、鋭く激しいバンド・サウンドを叩き付け、クールなナンバーでは、浅井の弾く乾いたギターの音色が、この時間だからこそより色っぽく響いてくる。ブランキー時代のナンバーも織りまぜながら、緊張感のあるテンションの高い演奏をブチかましてくれたJUDEだった。

IGGY & THE STOOGES


 昨年の〈FUJI ROCK〉でも圧倒的なパフォーマンスを披露したイギー・ポップ。彼の名を最初に世に轟かせたのがストゥージスだ。そのガレージ・ロックンロール、デトロイト・ロックの伝説を20年ぶりに復活させ、この日のステージに登場となったわけだ。50歳半ばになろうとも衰え知らずのイギーの勢いは、昨年のライヴでも実証済み。そこにストゥージスという金看板がプラスされるのである。期待せずにはおれないだろう。再結成に付きものの不安感もあったが、それもライヴ開始とともにかき消された。ギターのロン・アシュトンを始め、バンドもアグレッシヴさも強力。音色の違いはあれど、音のパワーは、ストゥージスという名前に負けないパワフルなものだ。アンプによじ上り、インリン・オブ・ジョイトイの元祖みたいなムーヴを繰り広げるイギー。活きの良さや途中ステージ上にお客さんを上げる破天荒さなど、圧倒的パワー恐るべし。レジェンドの底力見たり!

PRIMAL SCREAM


 アルバムごとに違ったサウンドを聴かせ、常に時代を引っ張ってきたプライマル・スクリーム。ボビー・ギレスピーのセンスは、衰え知らずといっていい。そんな彼らのライヴは良い時と悪い時の差が非常に激しい(というかボビーのコンディションの差というべきか)。昨年の〈FUJI ROCK〉 ではある意味ブッチギリのボビーだったわけだが、果たして今回は……。敬愛するストゥージスの最高のライヴの余韻を受け、なんとも良い裏切り的な、素晴らしすぎるパフォーマンスを見せてくれたのだ。元マイ・ブラディ・バレンタインのケヴィン・シールズもギタリストとして参加するいまのバンドのコンビネーションも完璧。エレクトロのビキビキなサウンドとロックンロールが交錯するプライマルらしさが全開だ。ライヴならではのアレンジで、進化した楽曲を聴かせていく彼ら。完全なダンス・イベントに組み込まれた姿も見てみたい。そんなプライマルの本領が発揮されたライヴだった。

▼上記出演アーティストの作品を紹介!