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第46回 ─ NINJATUNE retrospective @ O-EAST 2004年4月2日

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2004/04/08   18:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/小林栄一

前回の来日からもう何年経っていることか…。その間にリリースされたのはシングル一枚だけ。もうみんなコールドカットなんて忘れちゃったんじゃない?なんて思ってた矢先に飛び込んできた嬉しすぎる来日のニュース。コールドカットとニンジャ軍団の待ちに待った来日公演の模様をレポート。

会場となったO-EASTに到着すると、既に立錐の余地も無い程の混雑っぷり。会場には4つの巨大なスクリーンが備えられ、ステージ上には無数のターンテーブルと機材。いやがおうにも高まる期待とともに登場したキッドコアラは、ため息がでる程の超絶ターンテーブルスキルでオーディエンスを圧倒する。「Do you like jazz music?」とマイクで煽ってから披露されたスクラッチによる即興サックスソロ、最後に「ワタシノハハノスキナキョクデス!」と言ってスクラッチ&2枚使いでプレイされたヘンリー・マンシーニの“Moon River”、どれもキッド・コアラのキャラクターが反映されたファニーでユーモラスな本当に素晴らしいプレイでした。

割れんばかりの拍手と歓声が贈られる中、コールドカットにバトンタッチ。この瞬間をどれだけ待ち望んだことか! 完璧にミックスされブレンドされマッシュ・アップされた音と映像、そしてそれぞれが完全に(スクラッチでさえも!)シンクロし、何倍もの相乗効果を生み出す(Pioneer社の最新DVD-DJマシンを使用していたとの情報)。〈Terroist! Terroist! Terroist!〉( DJヴァディム“Terroist”)と繰り返されるフレーズにブッシュ大統領と猿が代わる代わる踊る映像が映し出されるコールドカットらしいブラックユーモア、時折挟まれる“Beats & Pieces”、“That Greedy Beat”といったコールドカット・クラシックスやお馴染みのボイスサンプルは彼らを知らなかった人もコアなファンも同時に唸らせていたし、ひとつひとつのプレイにオーディエンスから湧き上がる凄まじい歓声は何よりもこの日の素晴らしいパフォーマンスを象徴していたと思います。

再度、キッド・コアラが登場し引き続き素晴らしいプレイで観客を盛り上げると、ヘックススタティック登場。映画〈パルプフィクション〉でのユマ・サーマンとトラボルタが踊るシーンが映し出されたあたりからフロアは大爆発!!! 最初はちょっと緊張していた様子の彼らも、観客の盛り上がりを目の当たりにしてかノリノリでプレイしていました。

最後はシネマティック・オーケストラのジェイソン・スウィンコーがレア・グルーブ、ソウルで締め、どこまでもファンキーなまま、来日公演の幕は閉じました。ちょっとしたことでも良いから何か行動を起こすことの大事さ、僕たちの日常をより意義のあるモノにする為のヒントがごく自然に提示された、真にユニークで素晴らしいショーケースでありました。

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