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第47回 ─ ROCKING TIME @渋谷クラブクアトロ 2004年4月2日(金)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2004/04/15   11:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/小林 範子

スカとレゲエの狭間で生まれたジャマイカの甘く切ない音楽、ロックステディー。この音楽を10年に渡って歌い、そして突然の活動休止を宣言したROCKING TIME。こだま和文も駆けつけ行われた、彼らのメモリアル・ライヴ@渋谷クラブクアトロをレポート!

3月6日、横浜FADで活動休止を宣言したROCKING TIME。「えぇ~?」という観客からの悲鳴に対し、今野はこう応えた。

「こんないいバンドなのに何でって思うでしょ?」

……わかっているなら何でだぁ! と地団駄を踏みたくなりつつも、向かった先は渋谷・クラブクアトロ。到着した頃には、DJ 楠本千尋が会場を温めていました。

この日は約3時間の長丁場。


小粥鉄人(B)、山本貴志(G,Cho)、小林謙也(G)、森俊也(Dr,Cho)、津村正晃(key)によるインスト・ナンバー“Hot Milk”で始まり、“Rock With Me”で今野英明(Vo)が飛び出す……そこからは音に酔いしれるのみ。セットリストはROCKING TIMEの魅力を網羅したセレクトになっており、“そばにいるだけで”でファンを揺らし、ボブ・マーリーのカヴァー“Rock It Baby”の後にはゲストでこだま和文と西内徹が登場し、会場を盛り上げます。後半は“ありふれた言葉”、“Rock Your Baby”を挟みつつ、“始まる前に”から“夢を見てた”と、ベスト盤としてリリースして欲しいくらいのニクイ選曲が続きました。最後は“Sha-la-la”。会場は〈♪Sha-la-la-la-la-la-la〉の大合唱で、これがラスト・ライヴでなければ本当に最高! と誰もが思ったことでしょう。

「ありがとう」とステージを離れた後、アンコールに応えての再登場では客席とユルめの掛け合いが始まります。「コカユー!」と思いっきり呼び捨てにされるベースの小粥、カメラを持参し客席を激写するドラムの森など、観客とコミュニケーションをとるメンバー。お楽しみの後は、ジャパニーズ・ロックステディー名盤との呼び声高いファースト・アルバム『ロックステディ』から“いつまでも”、そして往年のロックステディーの名曲メドレーを披露! シメは勿論、坂本九“涙くんさよなら”のカヴァーでした。


「これ(“涙くんさよなら”)を演ったらアンコールはないかも…」と思っていると、再度アンコールが実現! 記念すべき1stシングル“ひとつ”を演奏し、本当のフィナーレへ……最後は「森さんがこれやりたいっていってたから」(今野)と、全員が肩を並べ手を繋いでお辞儀をするという挨拶で、明るく笑って、彼らはステージを降りました。最後を噛み締めるような感はありつつも、ライブはいつもと変わらず、メンバーには笑みが溢れていました。一方、観客は複雑な表情。泣き笑いのような顔がちらほらと見られました。

 さて、終演後。会場の外に出てみると、カメラにファンの姿をおさめる小粥の姿が! ワイワイとそれに応じるファン。そんな光景にも湿っぽさはありませんでした。どこまでもいつも通りで、でもちょっぴりセンチメンタルに、彼らの最後の日は(一応の)幕を閉じたのでした。


ROCKING TIME @渋谷クラブクアトロ 2004年4月2日(金)セットリスト
01.HOT MILK
02.Rock with me
03.Nice Time
04.燃えあがる熱い心
05.そばにいるだけで
06.どこかに消えた
07.今頃になって
08.雲の上まで
09.元気で
10.眠れない夜
11.Rock It Baby
12.Duck Rock
13.We Love Jamaica feat.こだま和文(DUB STATION)
14.大人になれば feat.西内徹(Reggae Disco Rockers)
15.ありふれた言葉
16.Rock Your Baby
17.始まる前に
18.空の色
19.You're The Only One
20.夢を見てた
21.Sha-la-la

アンコール
01.いつまでも
02.Rock Steady Medley
(You Make Me So Very Happy~I'm Still In Love With You~Once Upon A
Time)
03.Little Girl Blue
04.プリテンド
05.涙くんさよなら

アンコール2
06.ひとつ

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