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第54回 ─ electraglide 2004@幕張メッセ 2004年11月26日(金)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2004/12/16   14:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/青木正之

ノーマン・クック、アンダーワールド、エイフェックス・ツインなど……毎年アッと驚くビッグ・アクトが出演してきた屋内巨大ダンス・フェス〈electraglide〉。今年は待望の新作を発表したプロディジーを筆頭に、〈FUJI ROCK〉でのパフォーマンスも大評判をよんだ!!!(チック・チック・チック)、DFAとしてのプロデュース活動も絶好調のジェームス・マーフィー率いるLCDサウンドシステム、いまやUKの巨大ハウス・レーベルとして名を馳せるアンダー・ウォーターよりダレン・エマーソンとティム・デラックス、ニンジャ・チューンより映像も手がけるマルチ・タレント=ヘックススタティック、去年に続き登場のマッシュアップ巨星=2メニーDJズが出演。ロッキン&ダンシンな会場の模様をレポートします!

去年(アンダーワールド、フェリックス・ダ・ハウスキャット、LFOほかが出演)もロック色が強くなってきたなぁと感じていたのですが、今年はそれに拍車がかかり、ロック・フェスの様相を呈した布陣。というわけで、今回の〈electraglide 2004〉はプロディジー、!!!(チック・チック・チック)、LCDサウンド・システムなどのライヴ・アクトに注目し臨みました。会場に到着して早速フロアへ直行すると、ヘックスタティックが終了し、ジェームス・マーフィー率いるLCDサウンドシステムのライヴがスタート!いままでコンピレーションCDやジェームス・マーフィーのDJでしか触れることの出来なかったLCDサウンドシステムの世界観を生で味わえる、ということでテンションも高まります。が、実際音が出始めると何か物足りなさが……バンド演奏を主体とした品のいいパンク・バンドといった風情は、もうちょいヤンチャさがほしくなる内容。広いステージも持て余し気味で、個人的に期待が高かっただけにちょっぴり意気消沈です。まだお客さんの入りも6~7分程度の温まりきらない時間帯だけに、それも致し方ないところなのでしょうか。2月の再来日に期待しましょう!

さてエレクトロクラッシュの代表曲をバリバリとミックスした2メニーDJズのプレイで、フロアが賑わってきたところで新生プロディジーが登場!オリジナル・メンバーにドラムとギターを加えた5人編成というかなりロック・バンド寄りの編成ながら、繰り出すビートはプロディジーらしいダイナミックなもの!最新アルバム『Always Outnumbered, Never Outgunned』からの楽曲も、キースとマキシムが参加したライヴ用のアレンジで盛り上がり、ここ数年、表立った活動をしていなかったのが嘘のようなステージング。さすがの貫禄です!でも欲をいえば昔の曲をメドレー形式でもいいからやってほしかったなぁ~。この後、ダレン・エマーソンがDJプレイ。冒頭からアンダーワールド“Born Slippy”という暴挙を堪能しました。そして待ってました、!!!(チック・チック・チック)。こちらは単なるバンドの域を越え、圧倒的なグルーヴを巻き起こす強烈なサウンド。始めは派手なパフォーマンスのヴォーカルに目を奪われがちでしたが、中盤辺りから延々と続くかと思われる呪術的グルーヴにやられ、腰砕け状態に。凄すぎる...。お酒の酔いと!!!のえげつないグルーヴに叩きのめされ、ティム・デラックスのDJを前に完全ノックアウト! ラウンジよりフロアに帰還してみると、ティムのプレイも終了!と思ったらダレンがティムのもとへきて、ここからアンコールの一曲目がスタートしたのですが、なんと“Born Slippy”を再びプレイ! 「えっ、また!」と驚いたのもつかの間、とどめにニルヴァーナの“Smells Like Teen Spirit”が!  これにはこの日集まったすべてのひとが疲れも吹っ飛ぶ爆発ぶりで、フロアは狂喜乱舞の大騒ぎ! すぐ横では、一人二役でエア・ギターとエア・ドラムを激しくプレイする男子がいて、耳はニルヴァーナ、目はこちらの男子に釘付け!終始ロッキンなパーティはこうして大団円! 毎年、少しずつ変化をみせている〈electraglide〉。さあ来年はいったいどんなパーティーになるんでしょうか?いまから楽しみ!

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