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第61回 ─ 木村カエラ 〈4 YOU〉@東京・渋谷AX 2005年4月4日(月)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2005/04/14   17:00
更新
2006/01/19   18:37
テキスト
文/小野田雄

最新シングル“リルラ リルハ”が怒濤の快進撃を続ける木村カエラが初のライブツアーを開催!! 当然のことながら超満員のオーディエンスを前に、想像以上のパフォーマンスを披露した彼女の勇姿をヴィヴィッドにお伝えします。


 作品リリースのたびに着実にチャートをジャンプ・アップし、最新シングル“リルラ リルハ”では自身最高位のオリコン・ウィークリー・チャート3位を記録。その一方で〈カエラはメールし放題〉なVodafoneのCMにも登場と、めざましい活躍をみせている木村カエラ。そんな彼女の初ワンマン・ツアー〈4 YOU〉の東京公演2日目。前日の疲れや緊張感を微塵も感じさせない彼女はギタリスト2人を要する5人編成のバンドを従え、ファースト・アルバム『KAELA』の冒頭を飾る“untie”で、この日のライヴをスタート。続くシングル曲“Level 42”を含め、アルバム以上にハードな楽曲アレンジに度肝を抜かれたが、それ以上に驚かされたのが彼女のヴォーカル。声の張りや声量、その安定感から判断するに、女性ヴォーカリストとして相当な実力の持ち主である彼女の声は演奏に負けていないばかりか、ステージの中心をしっかりと務めているのだ。あの小さな体から発せられる音楽は、作曲こそ他のソングライターによるものだが、水増しや装飾が一切なく、そこが人気の秘密であることがよく分かる。


盛り上がりはパンク・バンドのライヴさながら。ダブ的な音処理が施された“weak”やスペイシーな“誰”、はたまたバブル・ガム・ポップ的な“INVENTOR”や跳ねたファンキー・リズムの“happiness!!!”と、シンプルながら緩急をつけたバンド・アレンジに対し柔軟に歌を乗せていく彼女。MCは持ち前の男前なキャラクターを発揮して、実にさっぱりしている。途中、最新シングル“リルラ リルハ”では自らギターを手にし、はたまたアンコール1曲目には独りステージに現れて、ピアノ・ソロを披露。どうやら彼女にはまだまだ明かされていない音楽的才能があるようだ。アンコール3曲を含む全15曲は、今後の更なる活躍を予感させる、そんな内容だったのではないかと思う。

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