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第79回 ─ SPRINGROOVE 07 @千葉・幕張メッセ 2007年3月31日(土)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2007/04/09   22:00
更新
2007/04/10   17:33
テキスト
文/浅沼優子、北野 創

ヒップホップ、R&B、レゲエの人気アーティストたちが集結する春フェス〈SPRINGROOVE 07〉が、昨年に続いて今年も東京と大阪にて開催された。bounce.comでは、翌日に同会場で行われたパンク系アーティストの祭典〈PUNKSPRING 07〉と合わせて、3月31日(土)の千葉・幕張メッセ公演をレポートいたします!!

14:05~
■LADY SOVEREIGN @RED STAGE


(C)Springroove事務局

  出番は14時からと早かったものの、ライヴも定評があるだけに、この〈世界一ビッグなちびっこMC〉を一目見ようとステージ前にはたくさんのお客さんが集まった。登場するとホントにびっくりするほどちっちゃい! 背後のもっさりとしたDJ、ドラム、ベースの兄さんたちが彼女の小ささと存在感を見事に引き立てていて、とにかくカワイイ! 音源で聴くよりもハスキーで潰れたダミ声ラップは元気いっぱいで、本当に楽しそう。見ている方も俄然楽しくなる。最後の“Public Warning”などは、かなりパンキッシュな上げっぷりで、フレッシュな若さと堂々たるスーパースターの貫禄を見せつけ、会場を大いに湧かせた。*浅沼

SET LIST
1. Ch Ching/2. Random/3. 9 to 5/4. Those/5. Love/6. Public

16:05~
■ZEEBRA @BLUE STAGE


(C)Springroove事務局

  スウィズ・ビーツによる煽りが気持ちを昂ぶらせる“Let's Get It Started”で堂々と登場したZEEBRA。序盤は“Stop Playin'A Wall”などの最新ナンバーを中心に披露して、後半は“未来への鍵”をフェイス・エヴァンス“Fallin' In Love”オケでキックするなど、粋な演出を連発! ラストの“Street Dreams”では〈俺がNo.1ヒップホップドリーム〉のラインに呼応するかのように、観客が人差し指を高らかと掲げる姿が印象的で、いかに彼がシーンから信頼されているかが伝わるステージだった。*北野

SET LIST
1. Let’s Get It Started/2. Top Of The World/3. Supatech/4. Touch The Sky/5. 雲の上のヘブン/6. Stop Playin' A Wall/7. “Dancer Time”/8. Original Rhyme Animal/9. 未来への鍵/10. Street Dreams

16:45~
■LUPE FIASCO @RED STAGE


(C)Springroove事務局

  普通に会場内を歩き回って文字通りファンと触れ合っていたルーペ・フィアスコ。果敢にも1MC&1DJのミニマムな編成で大舞台に臨んだ。腕をブンブン振り回し、ステージを駆け回り、力一杯ライムを吐き出す熱いパフォーマンス! ヒット曲“Kick Push”では、DJがモブ・ディープの“Shook Ones Pt.2”やソウルズ・オブ・ミスチーフの“'93 Til Infinity”のトラックなどを織り交ぜて披露してくれたのもライヴならでは。最後は“Day Dream”で締めくくると会場からは〈ルーペ〉コールが起こり、「東京スキデ~ス」と応えながら満足気にステージを後にした。*浅沼

SET LIST
1. Instromental/2. I Gottcha/3. Sunshine/4. He Say She Say/5. Kick Push/6. America Terrorist/7. Daydream

17:30~
■AI @BLUE STAGE


(C)Springroove事務局

  昨年末に行われた日本武道館での単独公演も大成功を収めたAI。本ライヴでもその時同様に生バンドを従えて、コーラス隊との掛け合いも見事な“MUSIC”を皮切りに次々とヒット曲をパフォーム。特に“My Friend”などの歌いこみ系ナンバーでは、ゴスペル仕込みのパワフルな歌声とソウルフルな演奏がマッチした、圧巻のステージを披露。もちろんその歌唱力の素晴らしさは大前提だけど、曲間のMC時に得意のバク転(?)をきめて観客を沸かせるような人懐っこさこそがAIの魅力なのでは、と思わせる心温まるライヴでした。*北野

SET LIST
1. Music/2. Beautiful/3. E.O/4. Believe/5. My Friend/6. Story/7. We Gonna/8. I Wanna Know

18:50~
■GREG NICE @GREEN STAGE

スムース・Bが急遽来日中止になったため、グレッグ・ナイス単独でのライヴとなった本公演。最初はあまりのギャラリーの少なさに不安だったのですが、さすがはヴェテラン。登場と同時にそんな懸念を一発で吹き飛ばしてくれました! ひょうきんなステップで軽やかに現れたナイスは、常時ステージの張り出した部分に陣取って、コール&レスポンスで観客を煽りまくり。ヒューマン・ビートボックスをかましたかと思いきや、飛び跳ねたり、寝転がったり……。終いには自らフロアに降り立ってもみくちゃになりながら、みんなで代表曲“Hip Hop Junkies”を大合唱したりとやりたい放題! もちろん“Sometimes I Rhyme Slow”やギャングスター“DWYCK”といったクラシック曲もパフォームして〈ヒップホップ・ジャンキー〉のみんなも大満足。底抜けにファンキーで型破りなパフォーマンスに、心から〈フレッシュ〉の賛辞を送りたいです! *北野

19:15~
■Ms. LAURYN HILL @BLUE STAGE


(C)Springroove事務局

  横浜でのワンマン、前日大阪でのライヴに1時間半以上遅刻したというローリン嬢。「やっぱり今日も遅刻です」とのアナウンスが入り、急遽カニエ・ウエストと出番を入れ替え、大トリを飾るという運びに。意外にも10名以上の大所帯バンドを従え、かなりロッキンなイントロ……が10分ほど続き、「本当に現われるのか!?」なんて不安がよぎったところで遂に登場! 大きなアフロヘアにサングラス、ベージュのトレンチ・コート姿で颯爽と登場し、いきなり“Lost Ones”をキック! アルバム『The Miseducation Of Lauryn Hill』からの曲も全て別アレンジで演奏されていたので、ちょっと分かりにくさはあったものの、よりロック/スカ寄りなテイストのバンド・ヴァージョンはなかなかの迫力。キャロル・キングの“It's Too Late”をしっとりとカバーしたり、フージース時代のヒット曲“Fu-Gee-La”や“Ready Or Not”を披露したり、アンコールではギター一本で弾き語りをするサービスもアリ。1時間以上の盛りだくさんライヴではあったが、どこか辛そうでぱっとしないローリン自身の表情と、ハスキーというには余りに息切れが気になる歌声に、何か根本的な調子の悪さを感じてしまった。本当の実力はあんなものではないはず。次はもっと楽しそうなローリンが見られることを期待したい。*浅沼

SET LIST
1. Lost Ones/2. Final Hour/3. EX-Factor/4. To Zion/5. Iron Lion Zion/6. Trenchtown/7. Zimbabwe/8. Hammer/9. How Many Mics/10. Tu-Gee-La/11. Zealots/12. Ready Or Not/13. Doo Wop (That Thing)

20:25~
■KANYE WEST @RED STAGE


(C)Springroove事務局

  ハープやストリングス隊を率いたゴージャスな編成によるカニエ・ウェストのライヴは、冒頭から大ヒット曲“Diamonds From Sierra Leone”“Through The Wire”を立て続けに演奏して、会場を一気に興奮のるつぼに! 純白のジャケットに身を包んだカニエは、タイトかつタフなラップで熱のこもったパフォーマンスを次々とこなし、完璧ともいえるエンターテイメントぶりを披露。途中で、ダイレイテッド・ピープルズ“This Way”やジェイ・Z“Izzo(H.O.V.A.)”といった自身プロデュース曲の数珠繋ぎメドレーや、DMCチャンピオンのA・トラックによる超絶DJショウを挿むなど、ステージ構成も練られていて文句なし。アンコールの“Touch The Sky”でルーペ・フィアスコが飛び入り参加しなかったのは残念でしたが、それを差し引いても充分すぎるほどに見所満載の1時間弱でした。*北野

SET LIST
1. Diamonds/2. Thru The Wire/3. We Don't Care/4. Workout Plan/5. Sweet Dreams/6. Addiction/7. A trak Solo/8. Get Em High/9. Gone/10. Heard Em Say/11. Wouldn’t Get Far/12. Spaceship/13. Drive Slow/14. Overnight Celeb/15. Slow Jamz/16. All Falls Down/17. Gold Digger/18. Jesus Walks/19. Touch The Sky

※開演時間は当初発表されていたタイムテーブルに則して記載しています。

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