くるり主宰レーベル〈NOISE McCARTNEY RECORDS〉の業務日誌連載。今回は、ノイズから8年ぶりの新作『I'm OK... You're OK』をリリースし、初の単独来日を果たしたジェイソン・フォークナーが登場! ジェイソンをリスペクトして止まない、くるりのお二人との独占スペシャル鼎談をお届けいたします。お三方のサイン入りTシャツ・プレゼントもありますよ!
──ジェイソンさんのライヴ、すごく良かったです。9月25日の公演では、くるりのお二人もステージに立ったそうですね。
ジェイソン アンコールで二人に出てもらって、“She Goes To Bed”と“Miss Understanding”を一緒に演奏したんだ。
佐藤 当日のリハーサルで2回合わせただけやったんだけど……(笑)。でもずっと聴いてた曲やからなんとかなったかな。
ジェイソン 始まったと同時に爆発するような盛り上がりだった。曲を知っててくれたから、練習の必要もないくらいだったね。
岸田 いつでもツアー・メンバーに抜擢してください(笑)。
――ジェイソンさんの曲は、お二人の中に刷り込まれてるんですね。
岸田 ライヴを見ていて面白かったのは、ステージ上でのバンドに対する要求とか、自分が盛り上がる瞬間が、ぼくとそっくりなんですよ。演奏しながら、ハッピーとストレスを感じる部分が全く同じ。
佐藤 横で見てると、ギターを弾いてる体の形まで似てる(笑)。
ジェイソン 面白いと感じる音楽性が似てるからかもしれないね。京都音博でくるりのライヴを初めて見て、細かいところまで趣味が似てると思ったんだ。アメリカでは、自分の音楽は複雑な部分があるみたいで、なかなか受け入れてもらえない。だから、この日本でこうやって共感してもらえるのは面白いし、とても嬉しいよね。
――京都音博はいかがでしたか?
ジェイソン 今回が初めてのフェスということもあって、どんなものかよくわからなかったんだ。でも実際来てみて、いい意味での驚きがあった。インターナショナルな、結束力のあるイベントだったからね。見たことあるようなバンドと共演するよりも達成感があったと思う。LAでソニック・ユースは見れたとしても、タラフ(・ドゥ・ハイドゥークス)は見れないからね。
岸田 それは、ミュージシャンがやるフェスだからだと思うんですよ。ほんまやったら、ジェイソン・フォークナーを呼ぶなら、イギリスとアメリカのバンドばっかり集めるのが普通なのかもしれない。でも、そういうジャンル分けに関係なく、耳と心で音楽をタッチしてくれるオーディエンスが好きなんで。そういう意味で、我々はファンに恵まれてると思います。だから、あの中で敢えてジェイソン・フォークナーっていうのは最高でしょ、と。
ジェイソン 15,000人のお客さんの中で、ぼくを見たことがあった人は一握りだっただろうし、オーディエンスにとっても新しい経験だったんじゃないかな。初めて見た人が感動してくれるっていうのは本望だよね。ぼくも小田(和正)さんのライヴがすごく良かったので、オフコースのレコードを買ったよ(笑)。
――去年はTVアイズ(ジェイソンとロジャー・マニングJrらのバンド)のアルバムもノイズからリリースされました。皆さんのお付き合いはその辺からですか?
岸田 実際に会ったのは今回が初めてなんです。それまでは、ほんまに単なる彼のファン。ジェリーフィッシュの頃から、もちろん好きだったんですけど、何よりも彼のファースト・アルバムがすごかった。だから、これはもう夢ですよ。死んでもいい(笑)。
佐藤 ぼく、ジェイソンがエールのツアー・メンバーとして来日したときに握手してもらったんですよ(笑)。
ジェイソン エールの来日ツアーで演奏した時に、客席から「ジェイソン!」ってぼくの名前を呼んでくれる声が聞こえたんだよ。「なんだ!?」って感じだった。エールの二人が怒るんじゃないかとドキドキしたよ(笑)。でもその時に、自分のバンドでも日本に来たいと思ったんだ。